表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Destiny Disaster   作者: いのせんと
7/10

青龍

グラン「よかった。間に合ったみたいだね。」


フウ「グラン!!こ、これは‥?」


ーーグランは今まであったことを余すことなく説明した。


メアリー「グランやったじゃん!!」


グラン「まぁ‥」


ーーふいに照れたグランにメアリーが微笑む。


フウ「つまりグランもエレメントを手に入れたってこと?」


グラン「多分そう‥」



ーー驚くメアリーとフウを横目に構成員Aが煙幕を巻いて姿をくらます。

しかしグランは追おうとはしない。


フウ「グラン!なんで追わないの?!」


グラン「フウとメアリーの安全の方が大事だから。ここであいつを追ってもフウとメアリーの安全には釣り合わない。」


フウ「そうだね。」


メアリー「助けに来てくれてありがとう!」


グラン「気にしないで。」


ーーひと通り会話を終えた3人。その時遠くでものすごい咆哮が鳴っているのを耳にする。


フウ「この鳴き声なんだか悲しそうだ。グラン、メアリーとりあえず行ってみよう。」


グラン「確かにあの集団の動向が気になる。行こう。」


メアリー「そうだね!」


ーー3人は鳴き声のあった場所へ向かう。目的地に着くとそこにはいくつもの血だらけで倒れる人の姿があった。フウたちは恐怖を押し殺して鳴き声の主の所へ歩みを進める。そこには青の宝玉と龍がキズだらけで横たわっていた。


メアリー「あれってもしかして龍?」


フウ「初めて見たけど実在するんだね。これは博士に報告しなきゃ。」


グラン「青の宝玉、龍‥間違いないこれは青龍だね。」


メアリー「この子が青龍なんだ。キズだらけで可哀想‥」


グラン「おい!メアリーあんま近づくな!」



ーーしかしメアリーは歩みをやめない。そして遂に青龍の目の前までたどり着いた。


メアリー「君はよく頑張ったよ。これからは私たちも一緒に森と宝玉を守って行くから安心して。」


青龍「人はなんで己の欲で自然を壊すの?僕たちはただ生きてるだけなのに‥」


メアリー「確かにそういうダメな人もいる。どうしようもない人もいる。だからそんな人たちからあなたたちを守る人たちもいる。欲にまみれた人の末路はいつだって悲惨だから。それにこの残された自然は必ず私たちが守る。だから約束して。あなたたちも人を信じる心を持って。」


ーー少し不安そうに青龍はメアリーを見つめ、ゆっくりと話し始めた。



青龍「僕たちの主は元々人間だった。とても良い人だったな〜。‥

僕たち精霊は元々1人の人間に宿っていた。100年前くらいだったかな〜その頃は自然と人間はうまく共存できていたあの頃、この島も8割くらいが森だった。しかしある時、呪いの力を持った圧倒的なエレメントの前にこの島多くの人間と森が姿を消した。僕たちの主は命と引き換えにそのエレメントを島の外へ封印したんだけどそれから人間は増え、自然は減り、かつての島の姿なんて今はどこにもない。あの頃の自然と僕らはまた会いたいだけなんだよ。」


フウ「そのエレメントは生きてるの?」


青龍「うん。生きてる。そのエレメントは単体でも恐ろしく強くて全てを破壊し尽くすんだ。年々その力が強くなってるのがこの島の結界の中でも感じるようになってきてて、僕たちは誰かに力を与えて初めて強くなれるから今はその対象を探してる最中なんだ。

おそらく君とそこの子は玄武と白虎に選ばれた人間なんだ。」


???「まぁ俺はちょっと力を貸しただけだがな‥」


ーーその重たい声の主は白虎だった。


グラン「お前、どうやって拘束を‥」


白虎「そんなことはもうどうでもいいだろ。別に敵意はない。」


グラン「‥‥」


白虎「青龍‥人間相手にしゃべりすぎなんじゃないか?」


青龍「別にこの子たちだったらいいだろー?それに僕はこの子を気に入った!」


ーー青龍の青い目にはおどけるメアリーが鮮明に写った。


青龍「僕のエレメントは君にあげる。僕は君を信じるし君は僕を信じてね。」


ーーそう言うとメアリーをまばゆい光が覆いだした。


青龍「メアリーだっけ?これからよろしくね。」


白虎「グランだったな。これからも鍛錬しろ。」


ーーその言葉を最後に白虎と青龍は姿を消した。



グラン「まさか俺らがこんな大役を任されるとは‥」


フウ「ちなみにメアリーはなんのエレメントなんだろ。」


メアリー「多分、水だと思う。何故かは分からないけど私の直感がそう言ってる。」


フウ「水か〜!メアリーなんか似合うね!」


グラン「確かに似合うな。」


メアリー「そう?水も滴るいい女ってこと?」


フウ•グラン「全然違うよ?‥」


メアリー「もう!ひどーい!‥」



ーーフウ、グラン、メアリーは談笑しながら研究所へと帰った。



          =その頃、町の外れでは=

構成員A「他の奴らは全員やられました。今は自分1人しか残っていません。‥」


???「そうか。だが別に仕方ないことだ。気にすることはない。それに次の案はすでに遂行している最中だ。お前は例の姉妹を捕獲し連れてこい。」


構成員A「わ、わかりました!」


???「いけ!」


ーー構成員Aはすぐさま仕事に戻る。


???「風のエレメントか‥‥面白いな‥」



        

            =研究所にて=


ーー研究所までついた3人は博士に今日あったことを簡潔に説明した。


ビックリ博士「なるほど。そのノット集団とやらは森の宝玉を狙ってるということじゃな。その逃げた奴以外はどうなったんじゃ?」


グラン「それなら治安隊の人たちが連れて行って今、治安所で話を聞いてて、それからパンドラの塔に収容されるか決まるって」


ビックリ博士「そうか。それなら安心じゃわい‥。だが逃げた奴がどこで何をしてるかわからない以上、フウたちも森に近づくのは控えるんじゃ‥」


フウ「でもまだ朱雀の宝玉だって見つかってないし、それに僕らは全員エレメントを持ってる。3人いれば朱雀の宝玉だって見つけて守れると思うんだ‥。だからしばらくは森を守りたい‥」


???「その必要はないぞ‥」


ーーフウたちはその声の主に目を向ける。そこにはナイトが研究所の扉を開けて立っていた。


フウ「どういうことなのナイト兄ちゃん。」


ナイト「本当は言う気はなかったが言わないとお前たちが危なくてしょーがないから言うけど俺が朱雀の宝玉とエレメントを持ってる。」


一同「えぇー!!」


ーー 一同は目を見開いてナイトを凝視する。


ナイト「まぁ無理もないな」


メアリー「もしかしてエレメントが目覚めたあの日?」


ナイト「そうだな。だいたい6年くらい前かな。」


グラン「じゃあ、あの炎が朱雀のエレメントってこと?」


ナイト「そうだよ。朱雀と俺が出会ったのは‥」



ーーナイトは朱雀との出会いを語り始めた。









説明


青龍:メアリーに水のエレメントを託した蒼い龍。その強さは多くのノット集団を薙ぎ倒す程。とても温厚だが森に危険が迫ると我を忘れて暴走する。


???:ノット集団のボスであり、エレメントは不明。緑地の石盤を使って何かを企んでいる。


治安隊:国の治安を守る集団で悪さをした人間の監視又は拘束、取り調べ等を行う。約100人程が所属している。治安隊では太刀打ちできない事案が発生すると上位部隊の帝隊と協力して事案を対処する。



ーーーーー場所ーーーーーー

治安所→悪さをした疑いのある人間の拘束、監視、取り調べを行う場所で罪が軽い場合は治安所で、重い場合はパンドラの塔に移動中継を行う施設。


パンドラの塔→人殺し以上の事をした人間を監禁する場所でエレメント持ち6人と作業監視員4名の合計10名で運用している。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ