ノット集団
ーーフウの前に立ちはだかる3人の謎の集団が不敵な笑みを浮かべる。
フウ「よし!ここまで悪者って分かれば全力で相手できるよ。」
構成員A「命知らずって怖いもんだな。アハハっ」
構成員B「とりあえずさっさと片付けますか。」
構成員A「そうだな。はやく人質と宝玉を捌かねーとな。」
ーー構成員Bがフウに殴りかかるがフウは軽くかわす。かわした先に構成員Cがすかさず蹴りを入れるがフウはその蹴りを手で軽くいなす。バランスを崩して倒れた構成員Cに攻撃をいれようとすると背後に構成員Bが回り込んでおりフウの身動きを止めた。しかしフウが空気を殴る。
フウ「突風!!」
ーー突如現れた風に、倒れていた構成員Cが後方10メートル付近まで吹っ飛ぶ。構成員Cは木にぶつかり失神し白目を向いて倒れ、フウの身動きを止めていた構成員Bは動揺し、その隙にその拘束を解き、顔面に攻撃を打ち込む。
フウ「おりゃー!!」
ーー構成員Bもその場で失神し倒れる。
フウは何食わぬ顔で2人の構成員を倒した後、構成員Aに対し
フウ「君もはやく宝玉を返さないと痛い目みるよ。」
ーーと言い放った。しかし構成員Aは不敵な笑みを浮かべた。
構成員A「エレメント持ちか。これはレイ様に報告しなくてはな。」
フウ「宝玉を返してもらうまでは逃さないよ。」
ーーその時、構成員Aは真上に宝玉を投げ一瞬動揺したフウの足を薙ぎ払う。フウもすかさず突風を打つが構成員Aは軽やかにかわし外れる。フウは距離を取り、風の向きを変え宝玉を引き寄せる。あと少しで手の届く距離になった時、構成員Aがニヤつく。
構成員A「変換。」
ーーフウの手の先にあった宝玉は一瞬で小さな爆弾に変わる。
少し反応が遅れたフウは爆発により、全身にダメージを負う。身動きがとれないフウに対し、構成員Aが
構成員A「別にエレメント持ちはお前だけじゃない。死ぬ前に教えてやる。俺は触れていた物を地面に着くまでの間、現在触れている物と入れ換えることができるエレメント。一応Firstタイプってことにはなってるが使い方次第ではSecondタイプになれる能力だ。だが国は俺の出身が差別を受けているだけの理由でFirstタイプにしやがったんだ。俺らはこの力を国に貢献するためではなく、革命のために使おうと決心したんだ。ちょうどそんな時に俺の力を認めてくれたのがレイ様だ。レイ様はエレメントを持つ者は評価されるべきと考えておられる方だ。エレメントを使ってエレメントを持っている奴らだけの世界を作ろうとしている。どうだ?お前も俺らノット集団に加入してみないか?そしたらお前の命も助けてやる。」
ーーとフウに問いかける。
フウ「なるほどね。君は悪いやつではなさそうだけど思想や考え方が極端なんだね。悪いけど僕は宝玉を守る義務があるからそれは無理だね。」
構成員A「そうか‥残念だ‥ならここで死ね!」
ーーと言うと小さな爆弾を倒れているフウに投げる。しかしフウに投げた爆弾に何かが当たり弾かれる。
メアリー「間に合った。」
構成員A「誰だ。」
メアリー「フウの友達だけど。てかフウ!大丈夫!!?」
フウ「メアリー来ちゃまずいかも。」
メアリー「なんで?」
フウ「こいつはエレメントを持ってるからエレメントを持ってない君じゃどうにもできない!逃げて!」
メアリー「だからなんで?」
フウ「え、」
メアリー「なんでいつも私は何も出来ないって思ってるの。悲しいよ。それに友達を見捨てるくらいなら私は戦って死にたい!!」
フウ「メアリー‥」
構成員A「感動の再開のところ悪いがそろそろ片付けさせてもらうぞ。」
ーー構成員Aはメアリーにゆっくり石を投げた。
フウ「メアリー!!逃げて!!」
メアリー「え、」
フウ「間に合え!突風!」
メアリー「きゃっ!」
ーーメアリーは突風で後ろに飛ばされる。その直後石と爆弾が入れ替わり爆発する。すぐにフウは風を使ってメアリーを受け止める。
メアリー「何!!」
フウ「簡単に説明すると手に持ってるものと投げたものを入れ替えるエレメント。結構厄介だよ。」
メアリー「すごいエレメントだね。どうやって倒すの?」
フウ「いい考えがある。」
ーーメアリーにフウは耳打ちをする。
メアリー「いい考えだけど、本当にそれで大丈夫?!」
フウ「大丈夫!2人いればいけるはずだよ。」
構成員A「次はどうするんだ?」
ーーメアリーは一直線で構成員Aに向かって走り、フウはその後ろから突風をメアリーにぶつける。急に加速するメアリーに対し構成員Aは反応が遅れる。
構成員A「なにっ!」
ーー構成員Aは咄嗟に石を投げるが、メアリーはその石を掴み構成員Aの顔面にねじ込む。
ーー構成員Aは血を流して地面に倒れ込む。それに追い打ちをかけるように風の推進力を使ったフウの渾身の膝蹴りが命中する。
構成員A「ぐがぁっ!」
メアリー「あなたのエレメントには弱点がある。それは地面に着くまでに触れられたら使えないこと。さらにあなた自身エレメントでの危険を好まない。つまり超近距離ならあなたは無力になる!」
フウ「まぁそうは言ってもメアリーはとてつもない肝の座り用だよ。」
ーー構成員Aは倒れる。
フウ「メアリー‥助けに来てくれてありがとう。本当に助かった!」
メアリー「大丈夫だよ。とりあえず怪我はない?」
フウ「いてて‥結構キズが痛むかな。」
メアリー「ちょっと待ってね。今、手当するから!あっ」
ーーメアリーの目線の先、フウの背後の構成員Aがゆっくり立ち上がる。
メアリー「フウ後ろ!!!」
ーーしかし無慈悲に構成員Aがフウに向かって爆弾を投げる。メアリーは走った。目の前の友が死ぬかも知れないこの状況を走るしかなかった。
フウを庇い、ゆっくりと目を瞑る。
ーーバゴーーンッ!
ーー大きな音共に土の壁がメアリーとフウを包む。
グラン「よかった。間に合ったみたいだね。」
ーーそこには何か少し成長を感じさせるグランの姿があった。
説明
ノット集団:約10名で構成されている集団で森の宝玉を盗もうとしている集団。そのほとんどが世間から省かれた異端児たち。
構成員A:男 8才くらい エレメント→交換First type
レイという人物を尊敬している。