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ファイルNo.1 soushitsu #5

 今日はわりと長いです。3775文字。まあ黒歴史の2万字に比べたら全然短いんですけどね!

キャッチーで読者の心を掴むには時間をあまり使わせない短いものの方がいいですよね!

なんで長くなったかと言いますと結構今回は今後の展開に関わるキャラが多く出る大事な所なんで区切る場所がわからんかったってだけですね。これから面白くなっていくぞ刮目して見よよよ。

「…よし、寝たか。ったく私は怒ってるぞ。あんまり人を弄ぶんじゃねえ胸糞悪いんだよッ」

「ふふふ、急に口調も態度も変えたねモカニス。あなたにもまだ転生者をいたわる心があるというのも知れてうれしいですよ。」

 握っていた手をゆっくりと離し睨みをきかせるモカニス。アンナもその殺気には気がついているが平然と巧真の手を左手で握り続け右手で撫でる。


「そいつから手を離せ!元々私のものだったギルドを乗っ取り更には私についてきてくれたずっと助け合ってきたギルドメンバーをお前は殺した…!許しておけるわけもねえだろうよ」

 眉間に皺を寄せ今にも一触即発の雰囲気だが戦闘態勢には2人とも入らない。

「確かに私があなたのお仲間を連れてダンジョンに潜っている時に下級ダンジョンに見合わない強力な敵が出てきて殺されたのは私の責任。申し訳なく思っています。ただそんなに怒ると可愛い顔にしわができてしまいます。やめてくださいな。」

「…まあお前は憎むべき仇だが共感してる部分もあんだぜ。愛情ってのは利の裏返しだと私は思ってる。その点コイツに対するお前の言動はまさにそれだ。ただ歪んだ愛情は人を壊す。コイツも壊す気か?」


「そうだっいつものように私の腕を切り落としてくださいませんか?もちろん血は粗末にしたくないのであなたの魔法エネルギーで床に落とさないようにしてください。」

 アンナはにゃお爺を殺した時と同じ刀をコトブックから取り出す。

「コトブックへの餌か。全く悪趣味な能力だよ。人肉を切り分ける包丁としてしか長門・鬼丸が使われてないなんてこれを作った刀鍛冶がみたら泣くな。」

「どーぞー」

 勢いよく刀を振り下ろしアンナの腕は切り離された。切断面からは血が床に落ちることはなく放出された血の全ては空中に浮遊を続けていた。


「あはは、やっぱり私の刀っていい斬れ味っ!モカニスのその能力もやっぱり便利です。」

「お前みたいな化け物のための能力ではないんだがな。」

「化け物なんてひっどーい。でもいまは許しましょう。コトブックご飯ですよ」

 切られた自分の腕を真上に投げると、コトブックがひとりでに動き出し、その腕をページの間に挟んで飲み込んだ。


「コトブックもお前の無尽蔵な回復力も気持ち悪いったらないな。だから化け物なんだよ。」

「損失する部分が腕一本ともなると回復も大変なんですよー!」

「気が済んだなら出ていきな。コイツは俺が診とく。」

「いーやー」

「そうかい。なら私が出ていく。きちんと溜まってる仕事は片付けろよ。」

 モカニスが医務室を出て、部屋の前にある手すりを強く握る。巧真の手を握っていた時とは比べ物にならないほどの力は鉄製の手すりを変形させた。

「アンナは私が絶対殺す…!そのためなら転生者を利用したって構わない」

 怒りに満ちた炎は静かに火力を強めていった。

            ※

「医務室か…」

 蓄積されたデータをほとんど失いそれから新しく見た異世界という光景はどうやら嘘ではないようで、雑貨屋のじいさんから借りた服が現実だということを証明していた。

 

「ギルドの人たちと会って最初の立ち振る舞いは最悪なものになっちゃったな…はあ…」

「そうでもないさ。」

 顔を上げて右前方を見るとアンナと共に俺を運んでくれた医者の人がパイを片手で食べながら立っていた。


「ああ、先程はご迷惑をお掛けしまして…」

「そんなことはどうでもいい。大切なのはこれからだろ。」

「これからか…」

「私の名前はモカニス。とりあえずこれを食え。お前が採ってきたカプでアンソルとバイセが作ったパイだ。歓迎の証だ巧真」

「ありがとうございます……ん!?」

一口食べるとサクッとした食感のあとにカプナルトラの実の甘い香りが鼻を突き抜け、口の中で広がる。

「美味しいです」

「だろ?仕事をして腹が減ったあとの飯は大概美味いもんだ。…まあお前の食ったそれは毒だがな。」

「ど、毒…!」

 びっくりして綺麗な白色のベッドにパイを落としてしまう。


「あーもうベッドを汚すなよ。医務室のベッドはお前以外の患者も使うの!」

「す、すみません」

 わりと理不尽な怒りを俺はいまぶつけられていないか。いま食べたものに毒を盛ったなんて言われたら誰でもビビる。


「どうしたら助けてもらえますか。」

「はあ?」

「今俺が死んでないということは遅効性の毒。こういう時は解毒剤と俺の持ってる何かの取引とかじゃないんですかね?」

「雄弁に話すじゃないか。さっきとは大違い。まあこのパイに毒が入ってるのは事実だがお前は死なねえよ。」

「どういうことだ?」

「手と口を鏡で見てみろ。」

 手鏡を渡され手と口を見てみるが特に変わったところは無い。いつもの手と口だ。


「部屋を暗くしないとわからないな。カーテンを今閉めるから。よいしょっと…カプナルトラの実には夜になると蛍光色に光る特性があるんだが、この光を発しているのが私が言った毒の大本、益光虫の卵だ。」


「うげぇこの実虫が入ってたのか。」

「ふふっ、そこはあまり気にしなくてもいい。虫が繁殖するのに適切な温度な果物はお前の元いた世界にもいっぱいあったはずだ。お前が気にしてなかっただけ。」


「ウチらの土地では防虫剤や農薬があるから平気なんです。食糧危機でいずれは食べなくちゃならないかもとは聞いていましたが好んで虫は食べません。」

 本当に変なことに対する知識だけは忘れないでいるな。もっと覚えていた方が良かったこともあっただろうに。


「そうか。お前のいた場所についてもっと知りたいが、いまはもっと重要な話をしないと。とりあえずお前の手がこれだけの光り方をしてるということは素手でカプナルトラの実を採取しただろう。」

「…はい」

「経口摂取じゃなくともゴム手袋や魔法による毒性の破壊をなしに触ったのなら10分と経たずに死ぬほどの毒を持つそれがあの果実の正体だ。」

「じゃあなんで俺は死んでないんですか?」

 疑問な点が山積みだ。なぜ俺が死なないと言い切れるのか。なぜ毒だと知っていてモカニスも同じようにパイを口に入れたのか。なぜアンナは俺にあの実を採るのを止めさせなかったのか。わからない。


「お前らから見たら異世界って呼ばれるとこには2種類いてな。『転生者』と『元からこの世界に根を張り生活している人間』がいる。お前は転生者だから前者。私は後者。」


 そうか。この世界の住人は全員同じように転生してきたものとばかり思っていたが、元からこの世界にいた人達もいるのか。いや考えてみれば当たり前か。アンナの言ってたカミ様とやらがここに送ったなら文化レベルは土地を開拓していかなければ発展はない。

 最初に死んでこの世界に来た人間など想像もつかないが、もしここが未開拓の土地なら俺みたいに無知な人間は転生した意味もなく死ぬしかない。


「ただ悪いがお前に転生した意味、生きる意味があるとは私は到底思えないんだ。」

「喧嘩売ってるんですか…!?」

 俺の考えを知ってか知らずか、言われたくない地雷転生した意味・生きる意味にモカニスは触れる。


「血の気が多いのは結構。ただ私以外にもそう思ってる人は山ほどいる。転生者には普通の人間にはない人知を超えた能力を持つことの方が多い。昨日、今日ここに来たばかりのぽっと出な転生者に私たちは色々と機会を奪われてきたんだ。平凡な人間が転生者を多少妬んで恨んでもバチは当たらないだろう?」


 知らねえよ。俺だって羨まれたくて転生した訳じゃない。というか転生した実感さえまだ持てていないんだ。人知を超えた能力なんて…この世界で俺に居場所はあるのだろうか。


「巧真、この世界に俺の居場所はあるのだろうか…とでも思っているね」

 モカニスの言葉に狼狽えてまた俯いていると俺の採ってきた木の実を奪って厨房に消えた男の声が聞こえた。


「ええっとあなたは…」

「アンソルだ。クロットが紹介してくれてたのを聞いてなかったかな?」

 クロット?…ああ思い出した。あの赤髪の少年か。あの少年、クロットが言っていた名前は確かアンソルとバイセだったか。


「すみません。てっきり名前的に男性っぽいバイセがあなたの方かと思ってました。」

「ふむ、転生者の感受性はわからぬな」

「すみませんね!俺はどうせズルい転生者ですよっ」

「なーんてな。非礼を詫びよう。紳士ではない悪ノリが過ぎたよ。」

「え?」

 てっきりまたいびられて傷付けられるのかと思っていたから、予想外の言葉に目が点になる。

 

「最初から聞いていたがお前も格好が悪すぎだ。巧真に当たったところで何にもなりはしないだろう。俺もモカニスもお前の味方にもなれる存在だ。お前の身の振り方次第でな。」

 

 身の振り方というとぽっと出の俺が善か悪か。何に価値を見いだして行動に移すかをこの2人に知らせることで敵対しなくて済むということか。

「最初から仲間になりたかったです。ただ俺はこの世界に対してもあなた達に対しても無知がすぎました。身の振り方というのはきちんと話を聞いてからではダメですか?」

 

 モカニスと2人っきりだったらこんな言葉は出なかっただろう。ただアンソルという人が来てから空気が穏やかに変わっていくのを感じた。

「どうだい?モカニス、転生者は仲間に加えておいた方がいいと思うが?」

「…ふん、お前から全部話せよ。私はコーヒーを飲んでくる。」

「了解だ。団長」

 アンソルバイセモカニス…

昨日の前書きにも書かせてもらいましたけど話の展開もフィーリングであればキャラ名もわりとフィーリングなんですよね。

あまり考えすぎるとそれはそれで型に嵌まった行動しか出来なくなりそうで難しいとこやねんな

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