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ファイルNo.1 soushitsu #2

 今回の〜お話は〜ちょっといやかなり〜汚いです。まあ皆腹の中に隠してるものなんでね…第二部目でこんな人を選ぶ小説がありますか!?というか私を選んでください。よろしくお願いします。何でもしますから。

( ・́∀・̀)ヘヘヘ

 俺とアンナはドアを開け外に出る。足を一歩踏み出すと石製のパネルが床には敷き詰められており、家の前にはそこそこ大きな公園が広がっていた。


「わりと良い立地に暮らしてるんだなお前は。」

「自然がいっぱい広がってて私この街が大好きなんです。ここに暮らすために私猛勉強したんですから。」


 頭のいい奴はやっぱり良いところに住めるのか。アンナの家にあった鏡をちょっと覗かせてもらったが俺の顔や体つきは高校生か大学生くらいに見えた。転生する前と同じ身体ならまだ俺は親の家で暮らしていたのかと考える。両親にももう一度会えるなら会いたいな。


 ただアンナの転生って言葉から察すると俺はもう死んでいるのか。ここが天国だとしたらギルドがあって働かなければならないのは何とも世知辛い話だ。


「そうだ!どうせなら公園でカプナルトラの木の実を採ってから行きましょう。」

 カプナルトラ…聞いた事のない木だ。まあ植物の知識は梨や柿、葡萄とかしか俺は知らないがどんな木の実なんだろうか。

「ほらっあそこの木です。あの実はとっても美味しいんですよっ!」


 しばらく歩き、彼女が指差す方向に視線を向けると一本だけやけに背の高い広葉樹があった。葉は緑色で幹も太く葉の間からは黄緑色の実が見え隠れしている。

「あれがそうなのか。まあまあ高いけど登って採ってこようか?」

「舐めないでください!私も一端の魔法使いなんです。見ててくださいよぉ!出てきてスーパーハンド!」


 アンナは手からマジックのようにどこからともなく本を出した。

「おお、すげえ!急に本が出てきた!」

「私は転生者のお世話をあまりしてこなかったからその反応すごい新鮮です。スーパーハンド、お願いあそこの木の実を2個採ってきて」


 本の1ページからぴょんと何かが飛び出す。それは人間の手の形をした白色の生き物だ。白い手のスーパーハンドとやらは木に向かって飛んでいき2個の木の実を見事アンナの元に持ってきた。


「随分と利口な生き物だな。その本の中にはまだこういう生き物が住んでるのか?」

「はい、主に災害の時や人じゃどうしようもない時にこの子達は使うことになるんですけどこのコトブックを持つのにも色々資格が必要で大変なんですよ〜」


 本をどこからともなく出す技術もあの手の生き物も人知をはるかに超える代物だ。この世界もこの子もすげえ興味深い。あんな芸当を可能にするのが俺が今身につけている服を着るのにも必要な魔法エネルギーというものなのか。元の記憶と世界に戻るまでのちょっとした知識探究心だがギルドに行くのも楽しみに思えてきたぞ。


「ナイフとスプーンはどこだったっけなあ」

 ページをパラパラと捲るアンナ。後ろからこっそりそのコトブックと呼ばれるものの中身を覗く。


「ありました!スプーンとナイフです。」

 アンナが開いたページの左上部にはスプーンのイラストが描かれていた。次のページをナイフが同じように記載されていたが言語はいわゆる象形文字のようなもので俺には意味がわからない。

「魔法って便利だな。俺も使えるようになれるのかな。」

「はい、個人の素質にも寄りますが若くにして亡くなり転生することになった少年、少女は一般教養と並行して魔法の知識を身につけることになります。学校を卒業する頃には皆覚えられるものなので魔法を覚えるのは大変かと聞かれれば大変ですが無理なんてことは有り得ません。巧真さんも気長に練習していきましょう!」


 魔法に関しての俺の不安を和らげるように話をしながらアンナはカプナルトラの身をナイフで半分に切る。中から見えた果肉は白色だが半分にしてスプーンで食べるというのはキウイフルーツやアボカドを連想させる。

「さあさあ一口食べてみてくださいっ」

 木製のスプーンで掬った果肉を口に運ぶ。噛むと果汁が溢れ出し、それは甘さと酸味が程よく調和した柑橘系のフルーツの味だった。


「うま…こんな果物初めて食べたよ。甘酸っぱくてすげえ美味しい。」

「よかった〜そうだ!ギルドの方にも何個か持っていった方が印象が良いですよ。もう少し採っていきましょう!」

「ああ、そうするか」


 1度本に戻したスーパーハンドをもう一度出すにはインターバルが必要らしく自分で木に登り、カゴに採れるだけ実を入れることになった。アンナは木登りが苦手らしいので地上からの応援をしてくれるそうだ。


「ふぅ……なんとか着いた。この木はそんなに大きくはないけど登るのが久しぶりだったからか時間が結構かかったな」

「大丈夫ですかー!」

「ああ、平気平気!」


 木登り、多分久しぶりだったんだよな。記憶喪失はおおよそ2種類の事象に分けられる。

 1週間ほどの記憶が抜け落ちるパターンと一般知識や自分の名も無くしてしまうようなパターンだ。

 俺の現状はどちらでもない。何というか個別に俺が保存していた記憶のフォルダを鍵を掛けられ大部分が確認できなくなっているような…どうでもいい知識や木登りのことは覚えてるのはどういう訳なんだか。

 ただ誰にそれを教えてもらったかとかそういう記憶がごっそり抜け落ちてる。誰の顔も思い出せない気持ち悪さを和らげてくれるのは…

 チラッとアンナのいる下を見る。お、元気に応援してくれてる。思わず顔が赤くなってしまうのが自分でわかった。

ダメだダメだダメだ!あまりにも惚れっぽすぎるだろ。会って数時間も経ってないような女性なのにちょっと優しくされたら靡くなんてのは最低だ。


 しょうもない記憶データ集からでも何となく思い出して汲み取れるものはあるんだ。顔は思い出せないが『楽し…しょ』と記憶の狭間で聞こえた人間が多分俺は好きだった。

 記憶の大部分を失っても捨ててはいけないものがある。おそらくこの黒髪の少女との僅かな記憶と感情はその捨てちゃダメなものだ。


 そう、アンナのことを今ちょっと好きかもと思ってしまっているのは木の高さからくるちょっとした恐怖による吊り橋効果と記憶を失った不安から来るまやかしに過ぎないはず。

だから、その、なんだ。とりあえず今は…

「木の実を採るんだーーー!!!!」


 大きな籠がパンパンになるほどカプナルトラの実を入れまくった。



「いっぱい取れましたね〜巧真さん凄いですっ」

「アンナもコトブックで俺がケガしないように色々やってくれてたろ。お疲れ様。」

「えへへ、気がついてたんですか。」

「まあな。」

 実際あの時は木から降りる際に何度か足を滑らせそうになったりしたが、その度にコトブックを出しては心配してくれていた。


「よし、カプナルトラの実も採ったしあとギルドの皆さんに気に入られるためにやっといた方がいいことはあるか?」

「そうだなーカルーニャちゃんのために『アレ』も取っていきましょう!」

「カルーニャちゃん…?」

「あ、すいませんっ!えっとですね、ギルドメンバーの一人ですっとっても可愛いんですよ!」

「へえ。そいつの好きな『アレ』って?」

「それはですね…」

           ※にゃー

「ここ『くらにゃーす本舗』の高級またたびです!」

「高級またたびってお前…俺はここに来たばっかで金とか持ってねえぞ」

 公園からさらに寄り道を重ね、くらにゃーす本舗というらしい雑貨屋?のような場所に来た。

 木構造の建物で中々の年季を感じる店構えになっている。


「にゃお爺こーんにちはー!」

「ああ、アンナちゃんいらっしゃい」

 奥から出てきたのは小太りで白髪で白い髭を蓄え白猫耳を生やした中年男性だった。

「今日はどうしたんニャ、アンナちゃん。彼氏連れかい。」

「ち、違いますよ〜新しい転生者でギルドまで案内してる巧真さんです」

「ほほう、新入りの転生者か。そいつぁ期待出来そ…」

「そんなことよりおっさん…!ちょーっと聞きたいことがあんだが…」

「にゃ、んじゃ。圧が凄いのぅ。」


 俺が今一番切望してるもの。木登りをして汗をかいてお腹も冷えて前からも後ろからも噴き出しそうになってるものがあった。

 読んでくれてありがとうございます!

今回のスーパーハンド。イメージとしてはマスターハンドやクレイジーハンドを思い出していただけるとわかりやすいかなって感じです。この時は、スマブラをしながら書いてたんですかね。

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