表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

喪女と聖女は紙一重らしい

聖女とは、聖なる乙女のこと。喪女とは、ただのボーイフレンドのいない女のことだ。

エミリオ様が顔を伏せる度に、金色の髪がサラリと瞳を隠すのが、何とも神秘的で一生見ていたい。

そう思いながらも、目の前の案件に集中する。

「聖女とは、このセイナル国に伝わる伝承でして。この世界が瘴気に包まれた時、神がこの国に遣わせてくれる存在だそうです」

へぇー、私神様に必要とされたんだ?

んなわけねーだろ。

秒速でノリツッコミしてしまったわ。

「異性との関わりがほとんどなく、接触もほとんどされない、そんな方が呼ばれると言われています」

あー、はいはい、つまりは喪女ですね。

………………いや、違うでしょ!

「普通は、もっと若くてかわいい子が呼ばれるものでは?」

ラノベ的に、と言いかけて、口を噤む。

すると王子、ぽかん、と口を開けて、クスリ、と笑った。

尊いが過ぎる!!!

「年齢は関係ありません。過去には、60歳の聖女様が遣わされた記録が残っています」

その言葉に、愕然とする。

若さは、必要ではない……だと…………?

とすれば、私は本当に聖女なのか……?

つまるところ、死ぬ直前の逆ハーレム乙女ゲーの夢が叶ったってこと??


いやったぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁ!!!!!!ってなるかい!!!!!!


いやいやいやいや、ほんとむり!

異性と関わりがなかったって、本当にそうなんだよ?

喪女っていうのは、異性に緊張する特性なの!

イケメンは鑑賞するに限るんですが!?

なんで私なんかが選ばれたんだぁ!?


頭を抱えてイヤイヤと首を振っていると、王子の困惑する声が聞こえた。

「聖女様?どうされました?」

その声に正気に戻り、顔を上げる。

「ちなみに、聖女のお仕事というか、役割とは?」

先程の荒ぶりを無かったことのように振る舞う。

これは私の特技だ。

「ご心配なさらず。危険なことは何もありません」

そういう王子に、首を傾げる。

「瘴気が溢れ出して、大変なんですよね?魔物が湧いたり、活性化したりするのでは?」

そう質問すると、王子は嬉しそうに微笑んだ。

綺麗すぎて後光が見える。

「お詳しいんですね!でも大丈夫ですよ。瘴気を払うのも、魔物を退治するのも騎士の仕事ですから」

「?つまり、聖女の仕事とは?」

「聖女様には、僕を含め、我が国の騎士たちに神聖力を与えて頂くことになります」

「???どうやって???」

「握手やハグ、キスなど、身体的な接触で、男たちにはそういった力が宿るとされていますね」


その瞬間、頭が真っ白になった。



次の男出す前に、情勢書き出したら終わらないやつ~

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ