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金色の月姫  作者: 藤の花
月より舞降りた鬼の姫
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___



あれから、どれくらいたったのだろうか………

体が動かない。わたし……死んだのかな………?

 

澪菜は川に落ちたまでは覚えていた。しかしそれ以上は覚えていない。目を開けようとも、開かないし、体を動かそうとも、指一本動かない。

 

死ぬって………こういうことなのかな?

 

不安に押し潰されそうになった時、ふわっと額に手が触れた。

「、、、温かい」ポツリと呟く。

 

「私のかぐや。お目覚めですかな?」

低音の心地よい声が耳に響いた。

男の人の声。涼とはまた一味違う、落ち着いた大人な声。

そして髪をさらっと撫でる、大きな手。

 

――誰なの――?―

 

「死神さん?」

 

「死神ではないよ。」

クスクス笑いながら優しく話し掛ける。

 

穏やかな口調が、澪菜の恐怖心を和らげていた。

「ほらゆっくり目を開けてごらんなさい」

言われるが間々に目を開けてみると、さっきまで開かなかったのが嘘の様にすんなりと開いた。金縛りが解ける様な感覚と供に、澪菜はゆっくりと目を開く。



「お目ざめかな?かぐや」

目の前にいたのは、見た事もない男性だった。さらさらの黒髪に、整った綺麗な顔立ち。そして真っ直ぐ見つめる、透き通った瞳。

 

 

「月の姫。光を受ければ目覚めるかなと思い、御簾の外まで連れ出して見てよかった。」

さらっと髪を撫でる。

 

「え!?だれ!?」 


__!!?!!?何気に気付いたけど私抱き抱えられてる!!?めちゃひざ枕されちゃってる感じだよね!?

澪菜は自分の置かれてる状態に気付くと、ものすごく恥ずかしくなって来た。恥ずかしすぎて言葉にならない。

 

「どうした?姫」

 

「いや、、、この、、、」

恥ずかしさに耐え切れず、澪菜は立ち上がろうとしたが、体に力が入らず、ガタンッとその場に崩れ落ちた。

 

「姫!」

 

いっっっ痛っ!思いっきり肘を床にぶつけた。


「無理をするでない」

「ごめんなさい」

 

「謝らなくていい。昨夜見付けた時は冷たく、本当に黄泉路にさらわれたかと思ったくらいだ。」

澪菜は男性に抱きかかえ直され、今度は腕の中にすっぽり収まってしまった。

 

本当に心配そうな顔をしている。この人が助けてくれたんだよね…

 

「ありがとうございます」


「姫が無事ならばそれでいいよ。」

澪菜がお礼を伝えると、にっこりと微笑む。

 

「本当助かりました。」

 

でもさすがにコノ体勢は恥ずかしいので、澪菜は寄り掛かりながらも起き上がった。

起き上がった澪菜の目に驚きを隠せない物が目に入った。

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