表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
金色の月姫  作者: 藤の花
月より舞降りた鬼の姫
7/79

ポーン

  ポーン……ポーン

 



鼓、琴の音が賑やかに鳴り響いている。

泉のホトリには桜が舞い散り、満月に照らされとても美しい。

 

宴には最高の夜である。多くの人々が集まり、賑やかに盛り上がっている。

そんな宴も終盤に向かっていた。

 

 

「今宵は素晴らしい夜であったな。」

 

「そうですな。おっ…そろそろ、締めに入るのですな」

 

 

泉の方に向かって一人の男の人が歩いて来た。

 

「あの有名な陰陽師の占術が始まりますぞ。」

 

 

桜の宴は一年の繁栄を占い終りを告げる。

毎年国一の選ばれた陰陽師が国の繁栄を祈り、占術を施す。



「今宵は美しい月」


陰陽師は呟くと無表情のまま泉に入って行く。ちょうど腰の位まで水に浸かると、立ち止まり、空を見上げた。

月明かりに妖々と照らされ、陰陽師は輝いていた。

 

 

「不思議な方ですな」

「ほんと…」

「静かに…何か唱え始めましたよ。」

陰陽師の妖艶な姿に宴に集まった皆々が見惚れる。

 

場が鎮まりかえると、陰陽師は呟き始めた。

 





「漆黒の

夜に満ちあふる

月の光

姫舞い降りし

永久の栄光」


 

――今宵、月色の姫が舞い降り、姫を手にした貴方は覇者となり永遠の栄光が続くでしょう――

「そう。貴殿様の元へ……月姫は舞い降ります」

そう言うと陰陽師は一人の男性の方を指した。

 

 

その光景に、宴参加していた者達ちは驚き、ざわめいた。

 

 


その瞬間、木々や泉、空までもがざわつき出した。

突然吹き荒れる風に、桜は舞い散り泉は桜色に染まる。



月の明かりもドンドン強くなり、泉のホトリは光に包まれたのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ