肆拾陸
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「東宮様!!」
「………あぁ、小夜か。」
一筋縄ではいかないとは思っていたが、帝の予想外の強行さに呆気に取られてた。
「すまないね。折角着いて来てくれたのに。まさか、さすがにあそこまでするとは思わなかったよ。」
「すみません。私も何も出来なくて、、、なんか入っていく間が」
仮にも息子の姫。いくらなんでも刀まで持ち出すとは。
死に対する執着。我が父ながら嘆かわしく思う。
小夜は申し訳なさそうに俯いているが、朧とて何も出来なかった。小夜に出来る事の方が限度がある。
「気にするな。不甲斐ないわたしが悪い。さて、どうするか」
諦めるしかないのだろうか。
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澪菜は周りを見渡した。壁もペタペタ触って見る。隠し通路があるか確認してみたが、そんな漫画みたいな物はなかった。
淡い期待も打ち砕かれていたら、扉がギィーっと開いた。
―――!!?帝
警戒したが、訪れたの、帝ではなく春晃だった。
「春晃さん!!」
まさかの救世主に笑みがこぼれた。春晃の元にすぐさま駆け寄ると、相変わらずの無表情でたっていた。
「違う。」
「違う?」
「その様な顔をされても。私は帝の命を受け、監視しにきた。」
ガーンッッッ
「はははは春晃さん!!いつから帝の味方になったんですか!!?」
「何を言っている?」
「だって!!春晃さんは、朧のお友達だったんじゃ」
春晃はため息をつきながら答えた。
「私と東宮は友ではない。主従だ。東宮の命には従うが、我々役人にとって1番の命は主上あのお方のみ。帝は絶対的方なのだ。」
絶対的権力者―――。
「それは私だけでなく、東宮にも言えるのではないか―?」
「朧にも……」
「あぁ。東宮といえど、帝に敵うはずもない。地位も権力も投げ捨てて、手に入れる価値はお前にあるのか?」
価値。そんなのない。
鬼でもないしましてやかぐやでもない。実際はただの女の子だもん。
「でも、朧は大丈夫って言ってくれた。私に隠さず話してくれた。だから、信じる!」
「それだけでか?」
「それだけかも知れないけど。髪のせいで人との関わりを諦めていた私に勇気をくれたのは朧だから。」
「そうか……。」
春晃は懐から文をだし、澪菜に渡して来た。
「な……なんですか。これ」
「東宮からだ。」
「ほぇ!!?」
なんで、朧から?
「帝からは、お前を逃がすなとしか言われてない。問題無い。」
そういう物なのかな?屁理屈な気がする。しかし、その方が自分には利なので突っ込まないでおこう。
「東宮は諦めると言ってた。」
諦める!!?
ばっと文を開くと歌が綴ってあった。
「空高き
月明かりのせ
ひとひらの
ありし花びら
君に誘う」
「もう。歌だと意味わかんないよ。」
澪菜からは笑みがこぼれる。意味はわからないけど、直感的に助けに来ると感じとれた。
諦めるってどういうことだ?
「諦めるって言ってたってなんですか?」
【帝に理解を頂くのを諦める。】
え!!!!ダメだよ!!!!!!
親子なのにそんなの寂しいし、悲しいよ。まだ何か出来る事があるかもしれないし。
「朧の所に行かなきゃ!!」
「だめだ。お前は逃がすなと言われている。」
「、、、じゃあ!帝の所!」
「なら、いいだろう。」
いいのかいっと再び思いつつ余計な事はいわないでおく。
手遅れになる前に澪菜は春晃に連れられ、走り出した。




