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金色の月姫  作者: 藤の花
月より舞降りた鬼の姫
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「黙ってないでなんかいったら?」

「いい気になってんなよ」

「そんなんだから誰も相手しないんだよ」

ある事ない事、言いたい放題いい始めた。

 


「金髪でかわいーと思ってんの!」

「態度でけーんだよ」

「涼も何でこんな女構うのかね!!趣味悪いんじゃん」 

 

 

早く気が済まないかとじっと堪えていたが、澪菜の耳に聞きづてならない言葉が入って来た。

 

 

…………………………プチッ………プチ………ッッッ

「………今ななんていいいました……?」

震える声を必死で絞り出した。

「涼君に謝って!!!!!!」



「なに、いきなり!生意気な」

「謝って!!!」

突然一歩も引かない、澪菜の強気な態度にカァーっとなって手をあげようとしていた。

打たる!


 

「きゃー」「危ない!!」クラスの子がさすがに危ないと感じ声をあげたのだ。

一瞬の出来事だった。



やられると思い澪菜は反射的に、手に持ってた弁当箱を投げ付けていた。

「やっ――!!」ガシャン

 

クリーンヒット。我に返ると、目の前にはお弁当まみれの女の子達が立っていた。頭には美味しそうに、厚焼き卵が乗っている。


「……つ…つい」

騒ぎすぎたせいか、人が集まりだしていた。

 

 

「先生こっち」遠くから先生を呼んでる人もいる。

 

廊下から先生の声も聞こえてきた。

よりにもよって、掴まったら面倒な、学年主任で生徒指導も担当している先生の声がする。



「ヤバイ!!面倒な事になるよ」

多少なり、自分たちにも非があると感じているからかは謎だが、女の子達は慌てて逃げていった。しかも「覚えてろよ」なんてありきたりな捨てゼリフを残して。そんなセリフ、ドラマの中だけだと思っていたけれど本当に聞くとは。

女の子達が消えた教室に澪菜だけ取り残された。

さっきまでの出来事、傍観者は沢山いたけれど、誰も庇ってはくれないだろう。このままだと、私だけ尋問だ。



澪菜も、慌てて教室を飛び出した。

 

 

逃げたって後で待つ事は変わらないけど、今は逃げるしかなかった。

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