表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

四話 人間からメッセージが来たんです

四話 人間からメッセージが来たんです


 要はとりあえず想に写真を送った。彼女はスマホサイズのレディーだと紹介する文を添えて。


 出社した後に見ると、『想に女の写真を送るな』と明らかに都が書いた文が返ってきていた。スマホを見られているのはホントらしい。


 想からの連絡待ちで、普通に仕事をする。


 返事は夜、家に帰った後に来た。


『加工はされてないみたいだね。まさか小人なんて。都が朝から不機嫌だからこっちは協力できないけど、うまく接触して、課金をやめさせるように交渉してみてよ。エスパーダが好みのタイプだからって油断しないように』


 想はエスパーダが要の好みのタイプだと気付いていた。やはり幼なじみだ。それに引きかえ都は……。


「いや、都よりも彼女だ」


 要は狸寝入りして、エスパーダがスマホに近付いたところを押さえる作戦を思いついた。が、彼に夜更かしの才能はない。横になるとすぐに寝てしまう。睡魔に抗う術を身につける間に課金の総額が上がるだろう。


 別の方法を考えるしかない。


「なんとか連絡取れれば良いけど、スマホ持ってるわけないよな」


 持ってたら自分のスマホでゲームをやっているはずだ。課金を押し付けるためという考えもよぎったが、あんなにかわいい彼女がそんなことをするとは思いたくもない。


 とりあえずメッセージを送ってみることにした。紙ではみてくれないだろうから、確実に見てもらうにはあれしかない。


 仕掛けをして眠りについた。



 翌朝、スマホを見ると壁紙が変わっていた。寝ているときの要がアップで映っている。その額には『バカ』と書かれていた。


「やられた」


 要の壁紙は消されていた。壁紙に好きな字体で文字を書けるアプリでエスパーダに向けてメッセージを送っていたのに。


「やっぱり自己紹介が長かったのが悪かったかな」


 顔を洗って、タオルで拭きながら次の文面を考える。


 一度くらいではあきらめない。何度でもやるのだ。この思いがエスパーダに届くまで。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ