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〈章ノ弐〉 縛る者、真実
Twitterやpixivや小説家になろうで個別にお題を下されば、それに基づいた140字小説も書きます。
独り歩きですが許してください。
『解放』
ナイフから、朱い血が滴った。
足元に広がっていくのは、
赤黒い、水溜まり。
……気持ち悪い。
俺は指紋の付いたままのナイフを引き抜いて、もう一度その肉塊に突き刺した。
はは……と、思わず渇いた笑いがこぼれる。
これで俺はもう、自由に生きられるんだ。
心が、静かな安堵に包まれた。
『本当は』
大嫌い。
そう言って、彼女は俺の元を去って行った。
意味が分からなかった。
一体俺が何をしたというのだろう。
そして、寝て、また起きたら気が付いた。
彼女が泣いていたことに。
……離れて行ってしまったのは、
俺の方だったのだ。
焦燥感と共に俺は、
ただ俺の冷たい骸を見下ろした。
サイコホラー多いですね……