火星大気は今日も曇っていますがそれは人間のせいで雪なんか降らないんだからねッ!
宇宙セクサロイドって単語だけだと全くイヤらしくない不思議。
毎度こんばんみー俺です。
あ、なんだかんだで火星降下ステーションに居ますよー。
それにしても、来ると思わなかったな、まさか自分が惑星の大気に触れることになるなんて。
それは我が家ブンドール号乗組員各者も同じなよーで。
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「ご主人様!ご主人様!!あれが火星ですか!?赤い赤い!!」
分厚い観光用外部視認窓にへばり付き、眼下を見下ろすつきみ。確かに赤いな。
初めての惑星降下にテンションアゲアゲ、でも新しいことに舞い上がるのは毎度毎度だけど。
「旦那様、着替えは何着必要ですか?私のをお貸しいたしますか?」
スッパ、いつになくツヤツヤテカテカだね。詳細は前回へ。あと俺の服を瞬間芸対応とかにしなくていいよ。
「おいこら主人。砂だらけの惑星だったらメンテナンスが面倒だ。全身タイツを着て行け着させろ。」
ルナ、リデザインのお陰ですっかりつきみの妹ポジションだが、油断すると鉄拳制裁があるのは女王様時代の名残かねぇ。あとその時に軽く浮くことがある。俺が。
「さて、もうじき俺らの降下時間になるな。ま、観光観光っと!」
しかし色々あるもんだな。温泉施設に巨大モール、超大型…要するにデカイ。
みんなデカイ。宇宙ステーション系も大きいが施設単体は惑星に軍配かな。
ステーションそのものが一つの施設なんてあるけど、有名なのは外惑星連盟の慰安ステーション。一つの慰安施設としては現在最大だとか。
そんじゃま、火星までゆっくり降下だ。軌道エレベータで30分の旅~。
「いいぃやぁあああキュウってするうぅ~~~~」
「旦那様、重力にホント弱いんだから………。」
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え、着いたの?
ほんとぬぃ?
あー、ガタガタするぅ。
主に俺が。
「うッひょ~~ッ!!火星火星火星火星火星~!」
わおわお言いながら走り回るぶれないつきみサン。今日もココロの星に火を付けてます。
「はぁ……じゃりじゃりする。お肌に悪いわ。陽射しもキツイし。」
クールに流すぶれないルナさん。でも少しだけ、顔ニヤけてます。ツンデレめ。
「旦那様。移動の乗り物は一体何なんでしょうね?輿とかですか?」
スッパ。君は今日は服着ていてオニーサン安心しました。コシの筈はない。
「あ!なんか来たよ!やったぁ………、って、なにあれ?」
ブフォーーーーー、ぐゎゎゎゎゎわわ、ブォーーーッ!!!
見上げるような金属製の要塞、下部には分厚いゴム製のエアフロート構造。
真下からは尋常でない風の圧力が噴き上がり、視界に砂煙が舞い上がる。
船体の後方には三機のエアロファンが唸りを揚げ、暴力的な風力を後方に流す。
それは……正に、動く鉄の城。
「あ、あれは陸戦用ホバークラフトですね、旦那様。」
来たのは、超重量級装甲ホバークラフト。………戦争の道具!?
「えぇ、火星は植民地化する時に、様々な勢力同士のせめぎ合いだったらしいですから。その名残の地上攻略兵器の民間転用ですね。」
気楽な様子で言うスッパ。
そーなんだぁ。降ろされる長ーいタラップに「歓迎!火星観光ご一行様!」と書いてある。
その一文の横には月をプリントした可愛らしい傘を差した、赤い服の女の子が描いてある。
「あ、これウチのイメージキャラだ!かぁわいい~~ッ!!」
つきみサン、君によく似た女の子じゃん。知ってたのかよ?
「まぁいいや、きっといいとこ連れていってくれんだろ?乗ろ乗ろ。」
ブレない俺はさっさと乗り込むことにした。
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中は意外と、いや、かなりの高級感。黒と赤に統一された装飾とジュウタンが、ただならぬ雰囲気を醸している。
しかし、見た目は戦車然で中身は観光用とかシュールすぎるわ。
お、見れば入り口直ぐにケータリングあるじゃん!さっすが観光仕様!!
《火星特産!陸上養殖宇宙ダコ入りファニーボール》
……なんじゃこりゃ。
見た目は薄茶色のケーキのような感じだが、上にはスパイス香るソースらしき液体が掛かっている。
そして、上にはこれまた茶褐色の薄い何か。それがまるで寄生しているかのように表面に付着。しかも、ふあふあと揺れている。
その球体には緑色の何かが散らされ、一体何がそうだからなのか、全く理解できない。
もはやカオス、……もはやボルケーノ!!
だがケータリング、食い物なんだよ、そーなんだよ。
食ってみるか?食ってみるか……?
恐る恐る横に付属しているチャップスティック(箸)を使い、摘もうとするが、コロコロと取りにくい!
えぇいままよ!刺てしまえばよかろうもん!
えぇい!ブスッとな!
そしてお口にゴーザイン。
……もにゅもにゅ。意外と弾力ある感触、そして柔らかな食感。
すぐに来るスパイシーなソースの香味と、中に入る宇宙タコのくにゅりとした歯ごたえ。
上に乗っている動く奴も食べろ食べろと薦めているようだ。
宇宙食慣れした口には熱さが応えられない刺激。あっつ!いや、熱いって!!
ハフハフいいながら結局完食してしまった………久々にまともなもん食った気がする。
ごちそーさまでした!
ちなみに彼ら三体のセクサロイド達は、経口摂取する充填剤も存在するが、果たして味覚あるんだろうか。
「なぁ、つきみ。君らって、味覚みたいなもんあるの?」
「はいな!ご主人様、当然ありますよ?」
あら意外なお返事。だがその答えは斜め後ろにかっ飛ぶ物だった。
「ご主人様の体調が優れない時は、ザ(自主規制)の味等で直ぐに判りますから!」
「うぇ、その為だけにあるの!?」
ブンブンと首を横に振りながら、
「いえいえ、元々は充填剤の消費期限を知るために味で判断できるように、舌には人間の味覚に相当する位のセンサーが備わってますよ?」
だとか。
「えぇ、姉様の言う通りですわ。それと味覚は色々な情報です。相手や素材の体調や品質、自分の肌の劣化具合等、目だけでは判断できないことは沢山ありますわ。」
ちなみに疲れてたりすると、薄く感じるらしい。って、誰の何のことか全くわかんなーい。うふふふぅ。
各自、好みの味もあるらしく、相当した各種の充填剤もあり、それは多種多様で俺にはちんぷんかんぷんでした。
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楽しく盛り上がりながら、今日の宿泊地、火星観光ドーム通称「マーズ・ドーム」に向かって行く。
「おー!なかなか、いや、すげー!やっぱデカイなぁ。」
火星でも相当の巨体な山の麓、赤茶けた大地に煌めく銀色の建造物が見えてくる。
「マーズ・ドームはその昔、入植者の中央集権管理センターとして発展の礎となった、らしいです旦那様。」
ガイドブックを読みながらスッパ。紙媒体ってなかなかレアだな。
そーいや、宿泊ってどんな部屋なんだろーか。
まさか、個室とかなのか?
いや、まさかまさか男女別とか?それは我が貞操の危機だ。全面却下したい。
到着して、チェックインを済ませた所。スッパは別でつきみとルナと俺は同じ部屋だった。
だった。
た。
スッパ、セクサロイドだけど、なんかゴメン。
でも君の願望で、俺の純潔を火星の大地に散らしたくはない。
「はいな!ご主人様、一緒にシャワー浴びましょうな!!」
「うぅ。姉様だけに作業させられません。仕方ないです………。」
部屋に入って直ぐに、砂煙を浴びたからシャワーを浴びたいと言うと、そう返事が返ってきた。
お前達、よーく判っていらっしゃること!
だが、つきみには漏電の危険があるような………。
だが、それは杞憂だった。
軽いメンテナンスを受けたつきみ。それだけで漏電の心配はないらしい。
皆さんお待ちかねの!
つきみ&ルナ嬢の!
に・ゅ・う・よ・く!
入浴です!
ドキドキしながら二人が服を脱ぐのを眺める。
つきみは今日は薄手のカーディガンに白いシャツ。
その下には短めの黒いスカートにキュロット、黄色い短めの靴下と短めのブーツ。
ルナは対照的に、少し厚手の黒のデニムジャケットに赤のTシャツ。
その下は黒のスパッツで素足に編み上げのサンダル。
それらをポンポンと思い切りよく脱ぎ捨てるつきみと対照的に、
脱いでは畳み、脱いでは畳みのルナ。
だが、意外な、いや、意図的にか!?
二人とも、マイクロビキニ、だとぅ~!?
「なにぃ!?お、お前らいつの間にそんなもん装備してやがった!?」
「うぇ!?ご主人様?あたし達、出掛ける時に船内からこの格好でしたよ?」
事もなげにそういって「やるでしょ!?」的に胸を反らすつきみ。
対して、半挑発的なモジリズムでつきみの陰に隠れるルナ。
ルナ、不自然だぞ?セクサロイドの癖に。
「あぅぅ……、私は、まだ、ご、ご主人様のことを、せ、せくさろいどとしての伴侶としてぇ、認めてませんから!…ごめんなさい。」
不思議なことを言うな、たまに。
どうやら、先輩後輩みたいなものらしい。セクサロイドが二人いると、先に主従関係を築いたほうに後発者は遠慮をするようだ。
なんか、意外だな。別にいーじゃんか。
なんせ、今だ補完計画未遂のつきみにアドバンテージがあるとはいえ、
ルナは完全フル装備。その気になれば、ルナと俺は…………
そっか。だからか。
こいつら、ご主人様の幸せを優先するけれど、それだけじゃないんだ。
俺と寝たら、ルナは新しい主人を得る。
だが、そうしたら、つきみと俺が築いてきた物が瓦解してしまう。
つきみ、そしてルナ。
お前ら、ほんとにセクサロイドなんか?
ただ、主人の肉欲を満たす機械人形の筈なのに、
どうして、相手の、人間とセクサロイドの複雑なココロの機微を、
察して身を引くような必要があるのやら?
コメディーなら速攻でムニャムニャやっちまえばウッハウッハなんじゃねーの!?
と、少しだけ複雑な気持ちになりつつ、
マイクロビキニ、略してマキニの破壊力を堪能しながらシャワーしてみることにしました。
シャワー万歳!マキニ万歳!!
「ごゅじゅぼぼぼぼ!ごじゅじんざば!ぜいだぐのぎばびでずで!!!」
上を向きながら、ダババとお湯を口から撒き散らすつきみ。
うんそうだね。船内はシャワーなんて使わないからね。あと喋るなよ…。
「姉様…もう少し静かに浴びてくださいあびゅ!!」
撒き散らすお湯が口に入り、チョイダバになるルナ。
二人とも真っ赤な煽情的マキニ一丁!!
その二人に挟まれるようにお湯を浴びる俺!
感電しても今なら許す!!
「んしょ、んしょ、ここかゆくないですか~?」
むずかゆくてたまらん場所を擦るなつきみ。俺様の自慢のナット君がボルケーノしちまうじゃないか(笑)
「姉様、私が頭を洗いますから、姉様は背中を洗っていただけますか…?」
モジりながらも任務遂行するルナ。えぇ娘や。ほんまにえぇ娘や。
洗ってもらったお礼にマキニ越しながら、二人の身体を丁寧に専用洗浄液で洗いました。
むにょむにょ、ぷにゅぷにゅ。背中から前、お腹から太股、そして膝から足首まで。
こらこらマキニ君。なんで君達はそこでクッソ真面目に仕事するんかい!!
よいしょあらいやだーおらがマキニがどっこいしょと越境しちまっただよー、みたいなポロリズムはないんかい!!
はい、任務に熱心なマキニ達は、取り敢えず任務完了しちまいました。
ちなみに二人ともシャワーが終わったあと、シュルっと器用にそのマキニの下を拭いてた。
その時二人の双子のサクランボがチラッと見えた。気がする。
拭かせろよ。
前面的に。
そんな訳で就寝しましょうか。
なんか久しぶりの重力下だ。すごくけだるいのぅ。
ZZZ………。
だが、つきみのガーターストッキングから露出したムッチリ太股の絶対領域の神々しさとかが想像できるようになると、エロく感じてくるからまた不思議。