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早速戦利品を捌くと共に新入りちゃんとウキウキコミュニケーション

毎度お馴染み宇宙海賊(笑)と宇宙セクサロイドのお話です。

どーも、こんにちは。宇宙はいつでも晴れてます。俺です。


月面コロニーから一路火星を目指す我がブンドール号。


型は古いがリニアカタパルトは絶好調。



戦争童貞も銀河に散らし、やって来ました中継ステーション。



さて、もうじき中継ステーションなんですが、何やらうちの乗組員がやってますね。


********************


「ほうほう、それでそのあとどーなった?」


あ、新入りちゃんのお勉強会か。


そんなに気難しい感じはないな、会話的には。


「そんでね、ご主人様の乾電池ちゃんとつきみのお口が合体すると~、パチパチって言って、火花が出てからご主人様がのけ反っちゃったのね!」


……うん、それを説明しとんのか、われは。


「そしたらその瞬間に、ビュ~ッ!って」「こらこら何を説明してんだ!このポンコツ漏電遮断装置遮断装置が!!」


「こらこら肉奴隷、せっかくつきみちゃんが佳境に話を進めるとこなのに腰を折るとは無粋だな。お前の腰を反対に折るぞ?」


誰が肉奴隷じゃ。それにしても、あぐらかいて向かい合うつきみと新入りちゃんのまたシュールな出で立ちだこと。



片や真っ白い下着姿ながら、前側にリボン型のブローチをつけたつきみ。


もちろんそこはみんなが見たい素敵な箇所だけど、きっとブローチを外して社会の自動ドアを開けると、ほの暗い宇宙の暗闇があるだけなんだろうな。タコいたりするかも。


また片や真っ黒い下着姿ながら、各所に銀色の鋲付きのハードなデザインの新入りちゃん。


肝心なとこにはがっちり錠前?が付いてんのね……。オマケにオプション装備なのか、肩から架けたショールが黒に小さな星が散りばめられていて、なかなか可愛らしい。


「よし、判った。殿方はそうしたら、それなりに悦ぶのだな?今度そこの内臓袋で試してみるか。だが、そこまで小さいと、果たして識別できるのかな!?くっふふふ…。」



あぁ、死にたい。


全面的に死にたい。


さぁ、気晴らしに飯食おうそうしよう。


*********************



《意外な組み合わせ・さまざまアラカルトオーロラ素麺無重力対応》



う。うぁあ。来ちまったよ…意外な組み合わせに、何も喜びがない。


…何々?「みんなに大好評の食材!合成魚肉と無重力栽培キノコ、そして無限裂き裂き草の楽しい食感を混ぜ混ぜ素麺タイプで楽しく召し上がれ!!」


うわああああ助けてーーー。


なんで素麺に?なんで素麺に?


だってここは宇宙だぜ?


「水分を混ぜてもみんな啜る度に撥ねて飛んでいきます」ですわ!!


て、ことは~~、


こ、ま、ぎ、れ!


細切れの素麺が飲み下し易いように、ジェルつゆにまみれた…うん。





……………………………………いた、だき、ますぅ…。




………ぐじゅ。じゅる。


…味は、悪くない。



だが、素麺って、無重力で無理して食うもんじゃないぞ?


あ、これは、素麺がどーしても食べたい奴が食うもんだ!判った判ったわ~いわ~い。




…ごちそうさま。


明日はなんだろなー。


********************



「お~!あれが火星間中継ステーションか!すんごく、おっきいですね!怒り狂って猛り狂う張り形ですね!」


初めてのステーション、テンションアゲアゲですね!つきみさん。



「…なぜでしょう、なんで私はこんな汚い船で、見たことない変なステーションに来なければならないのでしょうか。」


まだ名前ないな…あ、思いついた。


「ん…、ねぇちみちみ。名前付けね?」


「知らん。と言うよりも、私は私。お前みたいな肉ドンブリに呼ばれる名前なぞいらぬわ。」




えぇえ。なんか冷たいなぁ。


確かに女王様なんだけど、何か決定的に欠損をしてる気が…。


「そもそもお前なんて」あ、判った!


お話し中失礼いたします……、よいしょ。…むにゅむにゅ。よい感触だな。つきみと同じようなぽわんとしたなかなかの「揉み心地」。


「なななななな!何をするかこんの死にぞこないのゾンビ局所!!」


うん理解した。


「おまいさん、なんかリミッターかかってない?」


「そんなのない!!私は完全無欠の…」

「いまどきアシモフの三原則仕様、なんてあるのかぁ…」

「…!」



そー、ロボット原始時代に生まれた幻想、


ロボット三原則。


ひとにさからわない


ひとをきずつけない


じぶんをあやめない


…だったかなぁ。



これの仕様で、女王様タイプを作る意味が判らない。


だってそれじゃ奴隷を叩いたり出来ないじゃん。


逆らわない女王様って、どんだけ複雑なシチュエーション選択なんだよ?



はぁ、なんか、色んな意味で萎えたわ……。


ガックリと肩を落とす俺につきみが近づく……。


「大丈夫ですか?ご主人様?あたしが慰めてあげましょうか?性的な意味で!」



いや、いいや。



今はいつもの調子のつきみが、やけに重かった。


********************




あの新人、たぶん性的倒錯の極み、誰かを真似させる為の、複雑怪奇な望みで産み出されたカスタムメイドだ。




三原則、それがあるから逆らわない、でも服従しない、傷付けない。



それでも願望を達成したいときは、無理矢理にヤルためだ。



作らせた奴の闇が重過ぎて、ホントに嫌になった。



気が落ち込んで、やることないから、操縦席のコンソールに付いてる波長計とかをポカーンと見てると、


「旦那様、入港申請受理されましたよ?行かなきゃなりませんよ?」


スッパ、お前行ってきてよ、代わりに。服は着てな。




全裸で行こうとするスッパに手近にあったスパナをぶんなげといた。


****************


結局、やる気はないが、仕方ないから入港審査を請けにステーションの受付まで移動する。


色々と不安だったからスッパを連れていく。



なんだかんだでコイツ、かなり良識あるし、軍事用フレームの割に手先器用だし。


だって即脱衣出来るように服にマジックテープ縫い付けた位なんだから。



「旦那様、案外積み荷は高く売れましたね。」


そう、前回のローションと今回の雑多な食料は、それなりの値が付いた。


共食いして太る宇宙海賊らしいやぁ。



入港審査は簡単に通る。だって滞在短期の商用申請だけなんだもん。


その代わり、食料補給はかなり淋しい量だが、俺だけしか食わないから問題はないかな?



多少、華やかなステーション内の商用施設を抜ける時、衣服を売買する箇所を通る。



あ。これ新人ちゃんに買っていくか。

これはつきみだな。だって似合いそうだし……。


うわ、リア充してんじゃん!俺!


一瞬だけ多幸感に酔いしれたが、行き違う中年のカップルを見て現実に引き戻された。



空気嫁に浮かれて何やってんだ?


トボトボ歩く俺に、荷物を持たされたスッパが追いすがってきた。


**********************






「あ!ご主人様お帰りなさい!!」


「う、あの、ご、ご主人様、、おかえり。なさい。」





う?



あれ?


そこにはいつもと違うことなく明るく出迎える毎度お馴染み欠陥セクサロイド、


そして…………………………、




う、う、ウサ耳着けた新人ちゃんが、赤くなりながら、俯きがちに、



おかえりなさいコール!!!???



キターーーーーーーッ!!


その手があった!!


「おいお前、おいお前、一体どんな魔法を使うとこうなる。どーしてこーなった?」



つきみに聞いてみる。


「んーとね、ご主人様が居ない間に、ご主人様が優しくてつきみにちゃんと名前付けてくれて、いつか必ず「じんこーちつ」着けたらいっぱい愛してくれるって約束してる話したんだよーー!偉いでしょ~?」


ひらがな乙。


だが確かにそうだな。そうだ、うん。 



欠陥はあるが、つきみは今の俺の大切なパートナーそのいちだ。


確かに出来ない、ヤレない、でも、確かこのタイプのセクサロイドは、プログラム以上に高度な処理能力が与えられているらしい。 


噂じゃ、足りないのは経験と、それをすり合わせる時間だけ。


製品化の後は、各自が人間に近付いて完成型になるとか。しかも前言ってたが、コイツは最終モデル、更に違う奴らしいし出自もいわくありげ。


最高級モデルが真核ユニット外しただけで一万とか、絶対有り得ん。


砲塔ないだけで戦艦叩き売る位の非現実感。



なんかあるのか?



「これは、つきみ、が…無理矢理に、着けろ着けろって、うるさいから…。」


新人ちゃん、照れてる。


思わず抱きしめたくなる可愛らしさだな。




だが、ここはグッとこらえる!


つきみを前にして、鍛えた忍耐力を、今試されているのだ!!




「あ~、きみに、プレゼントがあるぅ、これをー、うけてりまたえにぃ。」




噛み噛みでぎこちなく袋をガサガサやって、白い袋から中身をつきみに取り出す。


「わ!ホントですか?あ。かわいーー!!ウサギと月かぁー!」


それは何の変哲もない、少し小さめのシャツ。


背中にウサギと月のプリントされた奴。お土産用かな、買ったときと印象がかなりズレてて、すこし痛い。俺は駄目な奴だなぁ「ご主人様!!つきみは眼球の洗浄液が止まりません!!」


目を潤いダクダクにしながらつきみが抱き着いてくる。


う、好感触&高感触。


ありがたや、ふにゅやわボリューム、堪らない。



思わず戯れ句をひねる俺に物欲しげな新人ちゃん。


「しんぱいすんなー、おまいにもちゃんとあるぞー。ほらー。」


黒い袋から、真っ白なワンピースを出して新人ちゃんに押し付ける。


「お前は、つきみと同じ、完全無欠には程遠い。だから、ここでしばらく修行するよろし。」


また真っ赤になった新人ちゃん、軽くグーで腹にぽふぅ、とパンチを入れてきた。


「おおおおお前をごごごご主人様、なんて、呼んだりしないから、ありがとうだ主人!!」



ふ、ふはははは。


その歯切れの悪さに苦笑いしながら、新人ちゃんに名前を付けた。


「今日から君は、ルナだ。よろしくルナ。」


俯いたまま、仕方なしに少しだけ頷いたルナ。


無言を持って肯定となす、ってのはどこの結婚様式だったか?柄にもなくそう思った。


うふふ……そんな感じで次回もお楽しみに!

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