コーラ売りの少年(18)
太陽がキンキンに眩しい、灼熱だ。そんな中俺は出世を賭けてコーラを売っている
コーラはぬるいとものすごく不味い、嫌になるぜ……何やってんだ俺は、こんなに客が居て暑いのにコーラが1本も捌けないなんて、センスがないのかセンスが、神様俺にセンスをくれー
「ちょっと、そこの売り子の人」
「はい!コーラですか?」
「サイダー」
(自分で買ってこーい、ってかどう見てもコーラしか売ってないからね、コーラを必死で捌いてる人だからね。……なんでガン飛ばされてんの? え? 俺が悪い感じ? 何度も言うけどコーラ売ってる人だからね!!!)
「へへ、お客さんサイダーはちょっと……」
「オイ! テメー、サイダーをクダサーイ」
(ん? あれ? 最後だけ敬語にナッテルー、あああじゃね、敬語になってんじゃねーか(汗)腹立つなーコイツ馬鹿にしてるよな確実に、コーラしか売れない俺を馬鹿にしてるよな。同僚なんかもうビールまで売れるくらいに出世してるのに、なんて情けないんだ。そう俺の人生はコーラに始まってコーラに終わってしまうのか。)
いったいあの客はなんだったんだろう? これはセンスの問題なのかと疑問に思いながら客を探している。
「あれ? 先輩じゃないっすか!」
「お前!ペプジじゃないか!」
奴は皆からペプジと呼ばれるシュワシュワした奴、炭酸がないと生きていけない存在だ!
(コイツはついてるぞ!こいつなら俺のコーラを買ってくれる、これでビールの売り子に大出世だ!)
しかしコイツのせいで脳内RPG戦争が始まる……
「コーラ買うよな?」
「なんすか先輩、後輩に押し売りっすか?」
「いやいやそういうんじゃなくてさ、お前炭酸好きだろ? 1本どうだ?」
「とか言ってそれ売って出世狙ってんじゃないっすか?(笑)」
(コイツ昔は素直でいい奴だったよ、どうしちまったんだよ、何があったんだよ! ってかどんだけ体も心も黒くなってんだよ、何で俺の考えてることがわかるんだよ、つーかどんだけー)
「先輩それ古いっす、日々人間成長するもんすよ、ちなみにこれは日サロ通いなんで」
(えっ?? なんで俺の心の声で会話してんだよ、つーか成長というより堕落してるよお前は(涙)いや心の声が聞こえる時点で進化だよ)
「負けたよ……俺の負けだ、好きにしろよお前の好きにしてください」
(神!俺はここでコーラも捌けない一個の物体さ、しかも後輩に心を読まれる始末、さぁーその太陽で俺を水蒸気にしてくれ)
「先輩先輩、じゃあ俺アイスコーヒー」
(何で心の声読まめーんだよ、恥ずかしいは!)
「買ってこいってか? 先輩をパシリに使うのか?」
「オイ! 買って来いよ、お前コーラの炭酸抜かれたいのか?」
(くそ!とんでもないこと言い出しやっがたコイツは、俺にとってのコーラとは、まさにラスボス{出世}を倒すべくして育てた勇者=コーラ、しかしこの太陽のせいで勇者{コーラ}のMP{温度}が下がってしまってる、そしてコイツは勇者{コーラ}の装備品、金の剣{炭酸}を奪うモンスター{ペプジ}、この場をどう乗り切る? A、戦う B、アイテムを使う C、呪文 D、逃げる E、アイスコーヒーを買ってくる ってオイなんでRPG並みの選択肢しかないんだよ、なんで俺を頭は低スペックなんだよ、つーかどんだけー、しかしこの5択で乗り切らなければ、ラスボス{出世}なんかパンチ{土下座}しかアタックできない)
「続きはCMのあとで!」
「小説だからCMなんてあるわけねーだろ作者! しっかり書けよ! この後俺はどうなるんだYO」
勇者{コーラ}を売っている最中、ばったり昔の後輩と会った、後輩を利用しようとした俺は、逆にピンチに陥ってしまった、これから短い戦いになるだろう、果たしてその先に待っている結末は……
(ん~普通に考えればここで問題を起こすより確実に1本売る方がいい、しかしかれこれ3時間1本もコーラを捌けていない、残りのラスボス{出世へ}のHPは勇者30体分{コーラ30本}、ここで売れなければ、時間という俺のHPがなくなってしまう、時間がなくなれば確実に教会送り{クビになり自宅でHPの回復を待つ}になってしまう、こいつに売りつけ経験値を獲得し、ラスボスのHPを着実に削るしかない、もう一度振り返ろう、
A、戦う B、アイテムを使う C、呪文 D、逃げる E、アイスコーヒーを買ってくるって この場合無茶をしてでも行かなければ、したがってDとEはない。
A、戦う この場合の攻撃手段として、うまく言いくるめなければならない、これはかなり経験値を積まなければならない、だがコイツは炭酸好き、うまくいけばクリティカルヒット{買わせる}間違いなしの一撃必殺、がコイツに使う場合外す確立も高い、外したら相手の攻撃を一方的に受けるはめになる。
B、アイテムを使う この場合のアイテムとは、アイテムとは、アイテムとは、何もなかった、いや待て、俺の残金は5G{50円}勇者{コーラ}1本15G{150円}、俺の持ち合わせてる5G{50円}分引けば10G{100円}で捌けるこの割引というアイテムを使えば、次の俺の攻撃で奴は間違いなく落ちる! がそんなことをしていいのか? 俺……今まで一緒に戦ってきた勇者{コーラ}を傷物(割引)にして売るなんて俺には……出来ない……。
C、呪文 これの関しては全く不明、多分作者の思いつきであろう、しかしこの魔法の読み解かなければ、機嫌を損ねかねない、ラスボス{出世}を目の前にゲーム{小説}を終わらせてしまう危険が高い、落ち着いて考えろ、呪文はダメージ系か非ダメージ系? それとも補助系か回復系、多分ここでの呪文はダメージか非ダメージでモンスター{ペプジ}を倒すことだ{買わせる}しかし太陽のせいでMP{温度}が残り少ない、MP{温度}を使い一発逆転の呪文を使うしかない、しかし呪文なんて、あれか!クロザキとかクロンテに違いない! 目が点も場合経験値がもらえないパターンがあるが、勇者30体{コーラ30本}一気に捌ける! これだ! Cの呪文だ!
「俺は決めたぜCの呪文だ!」
「急になんだよ、早くアイスコーヒー買って来いよ!」
(モンスター{ペプジ}の心を読むは発動していない様子、キタ―――!!)
「呪文呪文呪文」
「ムカつくやつだそれ貸せ全部炭酸抜いてやる!」
モンスター{ペプジ}に装備品{クーラーボックス}が奪われた。力が3下がった、防御力が15下がった。
(あれ? 呪文が発動しない……作者お気に入りの呪文が発動しない、発動しないなら書くなよマジで!!!)
モンスター{ペプジ}は有無を言わさず装備品{クーラーボックス}を装着し使おうと蓋を開けたら爆発音的な音が鳴った。
「え? なんだ?」
モンスター{ペプジ}は遠くへ飛んでいった。蓋が顔面に直撃、前歯が折れた。
目の前に装備品が落ちていた{クーラーボックス}
俺は装備品{クーラーボックス}を拾った、折れた前歯{ペプジの}を拾った、2G{20円}を拾った、経験値はもらえなかった。装備品を装着した、力が3上がった、防御力が15上がった。
「ちょwwwこれwwクローラじゃねーかwwつーかどんだけー」
「説明しよう、MP{温度}を消費したこと{太陽の熱}により、装備品{クーラーボックス}の中に蒸気が溜まり、限界に達した所に装備品{クーラーボックス}の蓋を開け溜まっていた蒸気が外に逃げようとして、あの爆発……じゃなくてクローラが起こった」
(ヤバイ、こんな呪文だなんて{爆笑}、勇者のMP{温度}がもう底を突き始めている。しかしいい物を手に入れた、折れた前歯だ、今奴はクローサ状態、霧に包まれている、この折れた前歯を使い、うまく言いくるめるコンボだ、つまりB~Aのファイナルラッシュだ)
「大丈夫か? ペプジ」
「何とか……」
(焦点があっていない、まだ奴は霧に包まれたいる)
「これ落ちててぞ、ほれ」
俺は折れた前歯を見せびらかした。
「そいつは俺の前歯」
「欲しいか? 欲しいか?」
「返せ俺の前歯だぞ!」
「このダンジョンにそんなルールはない、腐ってる死体みたいな顔しやがって(爆笑)」
「ダンジョン? 死体?何訳わかんないこと言ってんだよ、早く返せよ!」
「前歯が欲しけりゃコーラ買えぃぃぃ」
「買います買います!買わせてください」
腐ってる死体は300G{3000円}払った、折れた前歯と勇者20体(コーラ20本)を腐ってる死体は受け取った。
俺は300G{3000円}受け取った。経験値が210上がった、ちゃららら~ん、作者はレベルが1上がった、目力が1上がった、疲労が280上がった、書きたくない欲望が50上がった。サボるを覚えた、Hくと召還を覚えた{身内ネタ}。
(おい! ちょっと待てーーーー作者ーーーーー!!!!、何で俺の経験値根こそぎ奪ってテメーがレベルアップしてんだよ(怒)、しかも目力ってなんだよおい! その後全部レベルアップ関係ない事ばっかりじゃねーかよ! 経験値返せバーロー)
「長いツッコミありがとう」
「ったくいったい何なんだよ、まぁコーラも捌けたしいいとするか、あとコーラ10本か、ぐっお腹が……痛い、しまった」
俺は昨日お好み焼きを食べすぎたせいで腹痛{毒状態}に見舞われた。
「ちょマジ、もうRPGはいいから早く教会に、ってまだRPG抜けてなかったのは俺じゃないか……
しかしこの状態でコーラ10本はキツイ」
腸の中にうごめく黒い物体は外に出ようと必死、しかしそれを阻止する俺も必死、出来れば一刻も早くトイレで平和条約を結びたい、しかし出世の道は遠のく果たしてこの戦争はいつまで続くのだろうか。
クロザキ……相手にコーラを買わせる呪文
クロンテ……自分の命を犠牲にして一気にコーラを買わせる呪文
クローラ……とりあえず相手を吹っ飛ばす呪文
クローサ……あ~呪文てゆーか気絶しそうな状態にさせる呪文みたいな