今日の私どう?
「あ! いや、ぜんぜん待ってないよ」
我ながらとてもぎこちない返事だった。
「ほんとにー?ていうか何?その髪型?むちゃくちゃウケるんだけど!」
高木さんは僕を見てゲラゲラ笑っている。しまった!冷静に考えてみればデートで七三ってなんだよ!しかも、高校生が!早川進、一生の不覚......
「今日のためにセットしてくれたの?」
「......うん」
「そっか、ありがと! けっこう似合ってるよ!」
絶対お世辞だろうけど、こう言ってもらえると嬉しい。こういうところが高木さんがクラスのマドンナたる所以なのかもしれない。
「ねえねえ、私はどう?」
高木さんはロングスカートの裾をつかみ、くるくると回転してみせた。
「むちゃくちゃ似合ってる。 その.....すごく優しいかんじがする!!」
「優しいかー、そういうのあんま言われたことないかも。なんか新鮮で嬉しい」
何もいうな。わけわからないことを言っているのは自分がよくわかっている。でもしょうがないじゃないか。ほんとにそう思ったんだから。
「ねえ、行かないの?」
「え?あぁ、ごめんごめん。それじゃあ行こっか」
僕は高木さんと横並びで入場ゲートに向かった。先行きは不安だが、私服の高木さんと横並びで歩いているという今の状況だけでものすごく嬉しかった。




