あ.....当たってる!
「ほれ!」
両手を突き出しながら急かしてくる高木さんを前にして僕は焦った。
「えーっと、どうすればいいんでしょう?」
「どうすれば.....って早川くんのやりやすい方法でいいよ」
「じゃ......じゃあ肩を組んで飛ぶとか?」
「肩を組むか.....なんか落ちそうで怖いなー」
やりやすい方法でいいと言ってくれた高木さんはあっさりと僕の提案を拒否した。
「えーっと......それじゃあ......あの......」
「なーに?」
「お.....お姫様抱っことかは......どうでしょう?」
「いいよ!」
いいのかい!さすがクラスのマドンナ。こういうことにも慣れているのだろう。
「そ.....それじゃあ.....失礼します!」
「ふふっ、なんでそっちが失礼するのよ?さっきから急に敬語になってるし」
高木さんはケラケラと笑っている。
「あ.....たしかにそうだね。それじゃ」
僕は高木さんを持ち上げた。その瞬間すごくいい香りが僕の鼻腔をつくと同時に、高木さんの体温がなんとなく体に伝わってくるかんじがした。
僕は異性とのこういう密な絡みをしたことがほとんどない。ごめん、見栄を張った。まったくない!
初めての経験にダウン寸前の僕に高木さんは追い討ちをかけてきた。
自分の腕を僕の首根っこに絡ませてきたのだ。
その瞬間なにかやわらかいものが僕の胸に当たってくる。
こ.....これは.....これは.....おっぱい!
「早川くん、大丈夫?」
「え?あ......あぁ、大丈夫、大丈夫。それじゃあ行くよ!」
僕はさっきのように精神を集中させた。
飛べ......飛べ......おっぱい......おっぱい......飛べ......おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい
「ほんとに大丈夫? もしかしてわたし重かった?」
「い、いや。全然そんなことはないんだけど」
「でもなんかしんどそう。一回降りるね」
僕は言われるがままに高木さんを降ろした。
「うーん、なんでわたしが一緒だと飛べないんだろう?1人じゃないと飛べない仕様なのかなー?早川くん、なんか理由分かりそう?」
「いやー、なんでだろう?全然分かんないやー」
理由ははっきり分かっていた。だが高木さんに言えるわけがない。
「そっか、とにかく残念」
高木さんはがっくりと肩を落とした。そんな高木さんを見て僕は申し訳なく思った。




