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第5章「あんたは照れてる!」第一部

 キーンコーンカーンコーン、と金属製の鐘をハンマーが叩く甲高い音が廊下に響き渡った。その振動は壁を突き抜け、また一つの学問的拷問の時間の終わりを告げる。ほとんどの生徒にとって、それは解放を告げる合図だ。だが、その少年にとって、それはただ一つの騒音が別の騒音に変わるだけのことに過ぎなかった。


 三十代前半の、歴史への情熱だけはクラスの無関心さと同じくらい明白な教師の声が、まだゴングの音と競い合おうとしていた。彼は明治時代についての説明を終えようとしていたが、その言葉はすでに、教室を満たし始めたザワザワという騒音の中に溶け込んでいた。


 リュックが引きずられ、椅子が床に擦れてガタガタと音を立てる。雑草が生い茂るように私語が芽吹き、特に大胆な何人かはすでに立ち上がって、教師の存在を完全に無視していた。その混沌の最中、わずかな生徒だけがまだ前を向いていた。


 その一人こそが、三浦竜斗だった。


 彼の、いかなる輝きも意志も宿さない虚ろな目は、依然として教師に固定されていた。手は機械的に動き、ペンがノートの上を滑る。彼は興味からではなく、退屈なまでの実用主義から、最後の一言一句までを記録していた。勉強は義務であり、完璧なノートを取ることは、その義務を果たすための最も抵抗の少ない道だった。


「覚えておけ、この内容はテストに出るからな。しっかり勉強するように!」教師の声には一滴の希望が滲んでいた。この無気力な十代の集団に、わずかでも責任感を植え付けようとする最後の試みだ。もちろん、大半の生徒はその警告を耳にすらしておらず、その心はすでに昼食や放課後の計画へと飛んでいた。


 竜斗は、彼が机の上の本や書類の山を整えるのを眺めた。男の唇から、ほとんど聞き取れないため息が漏れる。(先生っていうのも、面倒な仕事だな…)その思考は、彼の他の日常と同じくらい単調で、感情を欠いたまま、少年の心をよぎった。


「うわー!三浦くんって、先生が言ったこと、本当に全部メモしてるんだね!」


 その声は彼のパーソナルスペースを右側から、耳に近すぎる位置から侵犯した。細く、ほとんど甲高い、彼がすでに慣れ親しんだ背景雑音の中の不協和音。それは、彼女の声だった。


「ただ、勉強の役に立ちそうなことは全部書き留めてるだけだよ…」彼は顔を向けずに答えた。その一音一音に、気だるさが重くのしかかっていた。


「面白いね!三浦くん、頭良さそうな顔してないのに!」秋山真琴は、あまりにも純粋に楽しげな口調で、悪意を持って解釈することなど到底不可能な言葉を放った。彼女にとっては、それはただの無邪気な感想。竜斗にとっては、また一つ、不必要なやり取りが増えただけだった。


 彼は答えなかった。いかなる反応も見せなかった。厄介事に対処する最善の方法は、注意を払わないことだ。彼はただノートに視線を戻し、最後のメモを見直すふりをした。


「ちょっと!無視しないでよ!」


 右肩に彼女の手が触れるのを感じた。ユサユサと、軽いが執拗な動きで体を揺すられる。彼の体は動じなかった。実際のところ、それは彼が身につけざるを得なかった忍耐力であり、妹の咲が何かをねだるたびに、全く同じように揺さぶられてきた数年間で習得した反射だった。ただ、このスキルを学校で使うことになるとは思っていなかった。女子に。クラスで一番人気があって、客観的に見て一番可愛い女子に…


(あぁ、もう…)


 そして、彼はそれを感じた。視線だ。無数の視線。まるで針で肌をチクチクと突き刺されるようだった。男子生徒たちの視線は敵意に満ち、原始的な嫉妬をはらんでいた。(なんであんな無表情の負け犬が、彼女の注意を引いてるんだ?)…僕の生皮を剥がしたいらしいな。女子生徒たちの視線は違った。もっと分析的だ。(なんで真琴ちゃんが、あんな奴に時間を無駄にしてるんだろう?)


 彼の匿名性の泡が侵害され、彼はその一瞬一瞬を憎んでいた。


 その光景を観察している、もう一組の目があった。彼が予期していなかった人物――教師だ。教室の前の彼の場所から、竜斗と秋山のやり取りだけでなく、彼らの周りに形成されつつある敵意の網が見えていた。


「三浦竜斗くん!」


 権威のある、彼がめったに使わない声色が空気を切り裂いた。秋山はビクッと驚き、まるで熱いものに触れたかのように竜斗の肩から手を引っ込めた。竜斗は、彼女が視線をそらし、「あたしじゃないもん」とでも言うように、小さな口笛を吹き始めるのを横目で見た。


「はい」竜斗は呼ばれて応えたが、その声はいつもの中立的なトーンを保っていた。


「この書類を職員室まで運ぶのを手伝ってくれないか?」教師の声は普段の穏やかなものに戻っており、命令というよりは頼みのように聞こえた。


「あ…はい…」


 彼は立ち上がった。安堵感はあまりにも微かで、彼自身ほとんど気づかないほどだった。この状況から逃れられるなら、何でもよかった。次の授業、昼休み前の最後の授業まで、あとわずかだ。


◇ ◇ ◇


 学校の廊下は別世界だった。ワックスがけされて窓からの光を反射する木の床が、彼の足元でキシキシと鳴る。他のクラスの生徒たちがグループで話し、その声が外の蝉のジージーという絶え間ない鳴き声と混じり合っている。それはありふれた、ほとんど馴染み深い不協和音だった。そして、ある意味、落ち着くものでもあった。


 彼が運んでいる段ボール箱は重くなく、教師が持っているものも、彼にとって大した労力ではなさそうだった。口実は明白だった。その気になれば、教師は一人で二つの箱を運べただろう。


 だが、そうしなかった。そして竜斗はその理由を知っていた。


「それで、三浦くん」教師が少し躊躇いがちに口火を切った。「最近、友達はできたのかい?」まるで、臆病な動物に触れるかのように、彼はその話題に恐る恐る触れているようだった。


「いえ」少年の返事は素っ気なく、直接的で、自動的だった。


「できてないのか?」教師は純粋に驚いているようだった。「だ、だが、秋山さんは?」


「あぁ…秋山さん…」竜斗の声からは、いかなる感情も抜け落ちていた。「昨日、彼女を助けたんです。だから、親切にしてくれてるだけだと思います。友達じゃありません」


 教師は心底憤慨したような顔をした。彼はスタスタと歩調を速め、竜斗の目の前で突然立ち止まり、彼もまた足を止めさせた。


「そんなこと、絶対に彼女に言うなよ、三浦くん!」


「どうしてです?」事実なのに。「僕たちは、友達じゃありません」彼は視線を上げ、教師の顔をまっすぐに見つめた。その目は虚ろだったが、軽蔑や侮蔑はなく、ただ事実の確認、彼が心から信じていることの表明があるだけだった。


 教師は**はぁ…**と、不満をたっぷり含んだため息をついた。(この子をどうすればいいんだ?)彼の視線は、竜斗の目の奥に何かを見つけようとしていた。「そんなことを聞いたら、彼女が傷つくだろう。だから言うな。絶対にだ」彼は教師としての責任と知恵をもって、権威ある口調で言おうと努めた。


「…分かりました」それが竜斗の返事の全てだった。


 彼らはすでに職員室の前に着いていた。引き戸は開いており、中で他の教師たちが話しているのが見える。


 年寄りというわけでも、特に若いというわけでもない。だが、森田先生はいつもどうにかして親切であろうとしてくれる。


 教師は近づき、自分の箱を竜斗の箱の上に置くと、少年の疑念を裏付けるかのように、二つの箱を軽々と持ち上げた。


「ありがとう、三浦くん」


 彼は振り返って部屋に入り、竜斗を廊下に一人残した。


「いえ…」

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