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9話 魔法の使い方を教えてください

「さてさて!いよいよ俺の異世界ライフが始まったわけだけども。

まずは夜までに、この朽ち果てた城を何とかしないとな。」


ほんの少し感傷に浸っていた俺は、勢いよくガバッと立ち上がり、

はじめの一歩を踏み出そうとした。

が、そこでふと一つ、大きな問題に気づいた。


「魔法って…どうやって使うんでしょうかーー!?

取扱説明書とか無いのでしょうかーー!!」


魔法が何なのかすら知らない俺は、空に向かって大きく叫ぶ。

もしかしたら、女神アイリスがまた手紙をくれるかもって思ったからだ。


すると、予想通りふわりと空から手紙が舞い降りてきた。


「良かった!えーっと、なになに?

魔法とは、この世界に漂う魔法の源の魔素を、体に取り込める者だけが使える力です。

あなたの身体はすでに魔素を取り込める構造になっていますので、

いつでも魔法が使える状態となっています。


そして、魔法を使う上で最も重要なのはイメージです。

あなたが持つ前世の記憶は、この世界では大きなアドバンテージになるでしょう。


頭の中で強くイメージするか、紙に図として描いたうえで、

手をかざしながら、こう唱えてください。

『クレオ!』

そうすれば、きっと“面白いこと”が起こりますよ。」


「・・・面白いことねぇ。」


手紙を読んだ俺は、ふと掌を見つめる。

ここから魔法が飛び出すなんてほんとかよ。

夢のような技術だな、おい。


なんて考えながら、俺はひとまず朽ちた城から外へと飛び出した。


「うわっ…でかっ!それに、辺り一面ぜーんぶ森じゃん。

え?俺、この森を開拓するの?一人で?……本当に?」


城から出て、辺りを見回した俺は思わず何度も瞬きをした。

城は想像以上に大きくて、その周囲はどこまでも続く森に覆われていた。


これを全部俺が一人で開拓していくのかと思うと…燃える!

これはまるで、俺の好きな街づくりゲームそのものじゃないか。

思っていた以上にワクワクする!


どうしようかな。

城を建て直したあとは何をするのが妥当だろうか?

とはいえ、この大きな城を、俺ひとりの力で修復できるのか?

いっそ復元するより壊して、新しく建て直したほうが早い気もする。


でもなぁ。

せっかく、この場所にずっと在り続けた城なんだし、

ここは俺が頑張って復元したほうがいい気がする。

できるかどうかは、わかんないけどさ。


まあ、一度やってみますか。

そう決めて、しばらくの間、俺はじっと、城を見上げていた。

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