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7話 特別枠のスキルは自分が望んでいたものでした

「さーて、どうするかな。」


胡坐をかいて腕を組み、これからどうするか思案していたとき、

空からふわりと、また女神からの手紙が舞い降りてきた。

今度は何だ?

そう思いながら拾い上げると、そこには追加で付与されたスキルについての言葉が綴られていた。


「あなたに授けた特別枠のスキルAngelic Handで、

たくさんの命を救ってほしいとお願いしましたが、

そのスキルを望んだのは、他ならぬあなた自身です。


覚えていますか?

前世の時から、あなたは嫌われ者扱いされる生き物を救いたいと願っていましたね?

その願いは今、叶いました。

思う存分、疎まれ、厄介者として扱われる命を、救ってください。」


「…嫌われ者か。そう言われると語弊があるが…

まあ、確かに俺が好きな生き物って、だいたい悪役の手先とか、

悪いモノって扱いされてたよな。

この世界でも、そうなのか?


だとしても…俺のなんとかってスキルで救うってのは、ちょっと非現実的じゃないか?」


手紙には、俺自身が前世を生きていた頃から抱いていた願いが書かれていた。

まさか、女神は本当にそんな命を救えって言ってるのか?

もしそれが現実になるなら、それは確かに幸せだ。そう思う。


でも、俺が心を寄せていた生き物たちは、どう考えても規格外。

それを救えって、マジかよ…。

いろいろ考えはしたが、そもそも何をどうすればいいのか分からない。


来たばかりの俺には、まだ何もできない。

「救える命って、どれくらいあるんだろうな。

というか俺は前世で、それこそ死ぬまで働いてきたんだから、

今世ではのんびり気ままに生きたい。


それに、大好きな生き物に囲まれて暮らせたら…

うわっ、考えただけで笑っちゃうな。」


もし、今思い描いたような生活ができるなら、きっと幸せだ。

とはいえ、日本じゃなく異世界で生きるってだけでも、簡単にはいかないだろうけど。


でも…もう、来てしまったんだ。

後戻りはできない。なら、この世界を俺なりに楽しむべきだよな。


何をどう楽しめばいいのかはまだ分からないけど、

スローライフってやつを満喫するためには、まず何をすべきか。


住みやすくて、時間を忘れられる。

そんな領地に、してやる。


とりあえず、女神の言葉どおり、まずはゲーム開始の合図を取るか。

そう呟きながら、俺はスッと手を前に伸ばした―…


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