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3話 必要なスキルを授けます

「突然こんなことを言われて戸惑うのも分かります。

ですが、人生をもう一度始められるチャンスは、そう何度も訪れるものではありません。

ぜひ、この機会を掴んでほしいのです。」


「そんな急に言われてもなぁ…。

っていうかさ、異世界って。

そもそも俺が生きていける環境には思えないんだよな。

魔法?魔獣?そんな中で何も持ってない俺が、どうやって暮らしていけって?」


「それは当然の不安ですね。

転生される方の中にも、そう感じる方は多いですから。」


迷いは多々あるが、俺の一番の問題は無能ということだった。

日本で生きるための力は多少は身につけていたと思う。

けれど、異世界で生き抜くための何かを持っているわけではない。


そう伝えると、彼女は

「他の転生者の多くも、同じような不安を抱えていました」と話した。


俺以外にも転生者がいるんだな。

そう思いながら、彼らはどうやって生きているのか、気になってくる。

その時、白い空間にホワイトボードのようなものが現れ、

そこに文字が自動でつらつらと描かれ始めたので、声に出して読み上げた。


「えーっと…

選ばれた転生者には必要なスキルが付与されます。

ただし、人を傷つけるような非人道的な能力は不可。

女神が差し出す、七色に光る無数の玉のうち、3つを選択せよ?

それがあなたのスキルとなり、異世界での生活を助けるでしょう。

……どういうこと?」


「ここに書いてある通りです。

皆さんには、これから生きるために必要なスキルを自分で選んでいただきます。

あなたも例外ではありません。いいですね?」


「スキルか…。まぁ、ないよりはあるほうがいいよな。」


七色に光る玉の中から3つを選び、それが自分のスキルになるか…。

本当にそんなガチャみたいな決め方で、漫画のような異世界を生きていけるのか?

不安は尽きない。


漫画ではよく「ハズレスキルが実は最強でした」みたいな展開があるけど…

現実はそんな甘いもんじゃないよなぁ。


…でも。

彼女が言ったように、二度目の人生を歩める者がどれだけいるというのだろう。

俺は何かを成し遂げた覚えはない。

それでも選んでもらえた。

普通なら、命を失えばもう新たな人生など歩めない。

それが、もう一度チャンスを与えられるなんて…。それって、最高じゃないか?

そう思った俺は、彼女の提案を受ける決心をした。


「分かったよ。やる。行くよ、異世界ってやつにさ。」


俺がそう言うと、彼女は優しく目じりを下げ、微笑みながら言った。


「では、選んでください。」


そして、真っ白な空間には、

七色に輝く、無数の光の玉がふわりと浮かび上がった。

俺は直感で一つ、二つと玉を自分の掌の中に集めていった-・・・




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