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2話 転生に値する魂です

「これでお分かりになりましたか?

あなたは本日をもって、1度目の人生を終えました。」


「1度目って何だよ…。結局俺は死んだんだろ?

それ以上でも以下でもないだろ…。」


「いいえ。先ほども申し上げましたが、私は魂の番人をしています。

つまり、私の選択次第で、死者に次の人生を与えることができるのです。」


「・・・え?」


「もちろん、非常に厳しく選定され、転生に値する魂のみが選ばれます。

それがあなたなのですよ。田中佳浩さん。」


受け入れがたい現実に途方に暮れる俺。

彼女は俺の1度目の人生が終わったと言った。

意味がわからないと返すと、俺の魂は選ばれ、次の人生を歩む権利を得たと語った。


魂が選ばれた?

俺は徳を積んだ覚えもなければ、特別誰かの役に立っていたわけでもない。

そう思っていると、彼女は優しく微笑んで言った。


「あなたは、生まれてから死ぬまで、命というものをとても大切にしていましたね。

それが人であろうと、動物であろうと、虫であろうと分け隔てなく愛情をもって接していた。

それは誰にでもできることではありません。私はその優しさに懸けることにしたのです。

二度目の人生で、動物たちに囲まれた生活を送ってみたくはありませんか?」


「えっ?!動物に囲まれた人生!?」


彼女は俺が生きていた間、すべての命を大切にしていたことを教えてくれた。

確かにそうだったとは思う。でも、それが転生に値するほどのことかは分からない。


とはいえ、「動物に囲まれた人生」と聞いた瞬間、心が大きく反応した。

そんな幸せな人生があるならと、どこかで期待してしまった。


「もう日本での人生は送れませんが、いわゆる“異世界”での人生を選べます。

魔法が存在し、魔物や魔獣がうごめく世界。…興味はありませんか?」


「ぬぐぅっ……」


俺の心が揺れたことを察したのか、彼女は俺が好きそうな言葉を並べた。

まるで誘導されているようで、内心ちょっと悔しい。


でも、異世界という場所には、これまで小説・漫画・アニメでしか

見ることができなかった生き物たちがいるのだろう。

それこそ、ずっと触れてみたかった魔獣にも会えるかもしれない。


そう思うと、ワクワクしてきている自分に気づいた。

もし、本当に異世界で動物たちと共に暮らせるなら…

そんな人生もありなのかもしれない。

そう思い始めていた-…。


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