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19話 湖が浄化されるまで何も育ちません

「主、すげぇ!でも大丈夫かよ?魔力なくなっちゃわない?」


「俺、魔力は無限らしいから大丈夫だよ。」


「ヒエェッ!転生したら魔力無限になるのか!すげぇ!」


「はは、そういうわけじゃないけどな。

でも…これは一筋縄じゃいかなさそうだぞ、クロ。」


癒しの魔法を使い続けて、どれくらい時間が経っただろう。

湖の手前部分は少しずつ透明さを取り戻してきたけれど、

城の復元のように、すんなりとは進みそうにない。

確かに、これは膨大な魔力が必要って感じがする。

今の俺じゃ、すぐにどうこうできるものじゃない気がするな。


【数日間かけて浄化を行うことは可能です。】


「あ、そうなの?じゃあ、ぼちぼちやってみようかな。

クロ、この湖を浄化するには少し時間がかかりそうなんだ。

今日はこのくらいにして、また明日からやろうと思うけど、いい?」


「そっか!いいぞ!主がこの湖を綺麗にしてくれるんなら、時間がかかっても大丈夫!

でもさ、ご飯どうする?」


「だろー?そうだよなー。ご飯、どうしよっか…」


エマから「数日かけて浄化できる」と教えられて、少しホッとした。

でもその安心感とともに、さらにお腹が空いてきた俺は、

クロに事情を説明して、ひとまず浄化作業を終了することにした。


そして、城へ戻って食料調達の方法を考えることにしたのだが、

この世界のお金を持っていない俺は、街に出て何かを買うことができない。

その事実に気づいて、絶望した。


「まずいなぁ…。こういう時、漫画だとどうしてたっけ?」


絶望的な状況の中、どうすれば食料を手に入れられるか必死に考える。

城の周りに畑を作る?果実がなる木を植える?そういうことだよな?


【湖の浄化が終わるまで、何も育ちません。】


「エマァー!どうしてお前はこう、俺を絶望に…。

ということはだ…。なぁ、クロ!この城にはちゃんとキッチン…あー、台所?あるよな?

料理を作る部屋!」


「あるぞ!でも前の主は料理なんてしなかったから、使えるか分かんない。」


「そうかー。でも、何もないよりマシ!ってことで、ちょっとキッチンに案内してくれ!」


農園でも作ろうかと思っていた矢先、エマが「湖が浄化されるまでは何も育たない」と言い放ち、

再び俺を絶望の淵へと突き落とした。

このAI、もしかして俺に嫌がらせしてる?…なんてな。


こうなったら、まずは調理ができる状況かどうかを確認したい。

俺はクロに頼んで、城にあるキッチンへ案内してもらうことにした。


前の家主は料理をしていなかったらしい。

でも、キッチンという名前があるくらいだ。

最低限の設備くらいはあるだろう。

そう思いながら、クロの後をついて城の奥へと向かった。


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