表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/24

僕と旅立ち

魔法使いのゾンビはそれから日々ズリズリと音を立てながら定期的にこの階を徘徊している様だった。


時折呻きながら立ち止まるが、特に何をするわけでもなく、僕も僕で、相手の実力が明らかに上であろうと分かるので無理に手出ししたいとも思わなかった。


そのため、ネズミたちの残骸を食べ続けながら進化に繋がる行動は無いかと模索していた。


どうやら、進化しなくてもスキルというか魔法の類はレベルが上がるらしい。

ダークボールやシャドウバインドをひたすら撃ち続けていたら通知が来たのだ。


ーーースキルレベルが上昇しました。ダークランス、シャドウステップを解放しますーーーと。


ダークランスはネズミ共の使っていた石の槍に似た様な技で、威力がダークボールよりも上がっていた。


試しに放ってみたところ、ネズミの死体を貫いて、壁に深い穴を開けるほどであった。


(この世界のゴキブリ強すぎない…?)

と、思ったが、これも異世界使用かチートか…戦力はあればあるだけ生存に有利なのであまり考えないようにした。


単純なダークランスと異なり、シャドウステップはかなり高度な条件のスキルだった。


対象の影を踏むか、自分の影と相手の影を重ねることで相手の動きを止めることができるというものだった。これがわかるまでに苦労した。


こんなことで外に出て死ぬのはごめんだったため、ホワイトたちの体から出るわずかな光によって出来た影を踏んだ時、「キュイ?キュッ?」と、陰を踏まれた1匹が動けないことで声を出してくれなければ、おそらく使えないスキルと判断していたに違いない。


(英語は少しばかりわかるから、踏むことが条件なのはなんとなくわかっていたが…まさか動きを止められるとは…これはまた搦手なスキルだな…)


その日もゾンビの足音をBGMに、今後の計画を考えていた。

巣穴のネズミはほぼ食べ尽くしそうになってきたため、食料問題という切実な問題に直面したからだ。


それよりも進化に関係して色々調べるのに時間と頭を使ってたからなぁ。

外に出たあと、ネズミよりも遥かに強い相手が犇めくなかで、どうにか生き延びる道を探さないといけない。


人間達がこんな薄気味悪い所にずっと住んでいるとは考えにくい。

ということは彼らが来た階段の上はきっと人間の生活圏に繋がっているはずだ。

そこを目指そう。


前世の諸先輩のように、排水溝、下水道などに潜んで力を蓄えて行くのだ。


(ここにずっと居てもジリ貧だしね。)

そう決めた僕は、兄弟達を集めて旅立ちの準備を始めたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ