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僕と2度目の進化

ハダカデバネズミの巣穴を攻略して、大興奮だった僕らは目一杯はしゃいだ後に一休みして、今はそれぞれに食事をとっていた。


僕もネズミの残骸の比較的綺麗な所に齧り付いていた。すると、目の前にぽわっと光が現れる。

(来た!進化だ!)


ーーーはい。その通りです。経験値が上限に達したことと、特定の条件を満たした為、進化先を選択することが出来ます。ーーー


(やっぱり進化には条件があるんだな。)

しかし、魔法兵を倒した時も、女王ネズミや王ネズミ、新女王ネズミを倒した時も来なかったからもっと先なのかと思っていたから嬉しい誤算だ!


ーーー今回の条件は、1.自身より強い捕食者を複数倒し、捕食すること。2.敵対種族の殲滅でしたーーー


(おいおい、前はそんなこと教えてくれなかったじゃないか!しかも条件がかなり厳しい…他にはどんな条件があるんだ?)


ーーー今回の進化先を提示します。ーーー


(…返答はなかったが、ここまで教えてもらえただけでもまだマシな方か。)仕方なく諦めることにした。

悔しがったところで分からないものは分からない。


ーーーデビルローチ、カオスローチ、カースローチ、ヘルローチと今回の条件からコンカーローチが追加されました。ーーー


コ…なんだって?

ーーーコンカー。貴方の言語に翻訳すると征服者、覇者といった言葉が適切でしょう。ーーー


(本当にどうしたっていうんだ…ものすごく親切じゃないか。)流石に前回と違いすぎたため驚きを隠せなかった。


ーーー進化することで貴方の生存率が高まります。すぐに死ぬものには情報は不要です。生き延びたあなたには手間暇をかける甲斐があります。ーーー


(いやいや、先に情報をもらって生き延びていく方が効率がいいじゃないか!なんでそっちを選ぶんだ)


ーーーそろそろ時間です。進化先を選んでください。ーーー


これ以上は相手にしないということか…仕方ない。ものすごく腹立たしいが仕方ない。進化出来なければ今後生き延びることができないし、ゴキブリ以外の虫を見ることもなく死ぬのは絶対に嫌だ。


(コンカーローチになるとどうなるんだ?


ーーー種族特有の魔法、ジャイアントキラーが発動できる様になります。自身よりも強い相手に挑むほど攻撃力、魔法攻撃力が向上します。ーーー


そう言うと同時に脳内に3Dモデルが再生される。

コンカーローチは、スモールアーマーローチと同じくらい。缶コーヒーの缶ほどのそこそこ大きなサイズだった。

脚周りや関節に保護のためか、硬さと軽さを兼ね備えていそうな甲殻が付いていて、機動力を失わずにすみそうであった。


僕の苦手な近距離戦もこなせそうなゴツゴツとしたデザイン。頭部の、目と目の間。額のあたりに突起が追加されており、パッと見ると遺伝子異常を起こしたメスのかなりしゅっとしたカブトムシに、とても小さな角がついた様な、そんな見た目をしている。


色はやや赤黒い様な色をしていて、どこか厨二心をくすぐられる。


その他の候補も魅力的であった。

デビルローチは速さと魔法に長けていて、カオスローチは闇魔法の他に何故か聖属性の魔法も使える。

カースローチは相手を固有魔法の呪いで超遠距離からでも攻撃でき、ヘルローチは死んでもアンデッドとして復活できるというぶっ壊れだった。


…しかし、死んだ時に復活したとして、自我はあるのか……?あと、そもそも戦う力も欲しいが、僕は何よりまだ見ぬ虫をひたすらに眺めたい。そのためにも生きていたい。もちろんあっけなく死にたくないこともあるけど。


(生存率が高いのはどれなんだろう…)

悩むも返答はない。流石にもう待てないと思われているのだろう。または都合が悪いのか…。


生き延びる上で必要なのはゴキブリならではの機動力と、いざという時戦う強さだと思う。

それに今回の行動で解放されたレアな種族らしい。下剋上、してやろうじゃないか。

そう思って、僕はコンカーローチに進化することに決めた。


ーーー承知しました。参加を進化します。ーーー

こうして2度目の進化を迎えたのであった。

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