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僕と一国一城の主

激闘の末…参加した兄弟の力もあって、ハダカデバネズミ達を殲滅出来た僕らは、体を休めるため、体制を立て直すために、死屍累々の部屋の中で食事にありついていた。


(不思議なもので、慣れるとなんとも思わなくなるな…)先ほどまで命の奪い合いをしていた、なんとも特徴的な顔のネズミに飾りながら思った。

これは正常化バイアスなのか、それともゴキブリという生き方に馴染んだのか、この体に精神が引っ張られているのか…。


いずれにしても、死線を潜り抜けた後に、餓死だなんて笑えない。まだまだ生き延びないといけないんだ!

そう思い直し食事を続ける。


そういえば、


兄弟たちも、思い思いに好きな場所を陣取って、凄い勢いで食べていた。

その光景をぼんやりとみていると、モ、グ、ラの体がぼんやりと光り始めたのに気が付いた。


(あれは…進化だ!!)モ、グ、ラの体から更に強い光が放たれると、あまりの眩しさに3匹の体は見えなくなってしまった。

一瞬して、光が収まると、3匹とも先ほどよりも体が大きく、鎧も遥かに頑丈そうな鈍く黒光りする硬そうなものに変わっていた。

ただ、モ、グとラとでは少し異なるところがあった。



「キュキュッ!」良かったなぁ!すごいなぁ!と思いつつ声を掛ける。


3匹も喜んでいる様子で、触覚をふりふり、体をそわそわとさせて動き回っていた。

触覚に触れると、モ、グがアーマーローチに、ラがガーディアンローチになっていることがわかった。


(言われてみると確かにちょっと鎧の形が違うか?)

もう魔法兵ネズミと変わらない大きさになっており、前世の子猫くらいの大きさに感じる。


モ、グについては、体を覆う鎧が更に重厚さを増して、関節部には突起が追加され、頭部にもコブダイのコブのようなものが増えていた。

突進時の威力が上がるのであろうことがわかった。


ラは、脚に甲殻が増えてより守りが固められたような形になり、表面に薄らと半透明の…バリア?のようなものが見える。防御特化に進化したらしい。


(どうやら進化にはパターンがありそうだ…本人の資質だけではなく行動にも影響を受けてるのではないかな…?)と、僕は仮定した。

進化先を増やそうと思ったら色々な行動を取ってみるべきなのだろう。


(そういえば、ヒーラーとニードル?らしきものに進化した兄弟のことも後で調べないとな。)

条件はなんだったのだろう…そうぼんやり思いながら、皆がうとうととしているのを見ていると、どっと疲れが押し寄せてきたので皆と固まって休息を取った。

外側にモ、グ、ラ、ヒーラーとニードルが内側。

僕とクロは付近の壁寄りに陣形をとって休む。


(もう流石に兵隊はいないと思うが…警戒に越したことはない。)そう思ってのことだった。



しばらく寝入ったが、襲撃はなかった。

体力を回復させた僕らはこのハダカデバネズミの巣穴で最後の戦いに向けて準備を始めることとした。


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