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フィオレンティーナの素性
カイルはふぅと息を吐き出すと
「だがそれはダメだ」
と告げた。
「危険すぎる」
南の俺の領地なら君の身を完全に近い形で守ることができるが
「中央と北は難しい」
フィオレンティーナはあっさりと
「あら、私はこれでも剣を使えるわ」
それに私が貴方の側室を選んだのは顔や立場を知られないため
「つまりただの旅人としてアイスノーズを動けるからよ」
と告げた。
「それが貴方と私の契約でしょ?」
カイルは難しい表情をして
「…君は本当に変わった令嬢だな」
と言い
「俺は君が側室として胡坐をかいても良いと思っていたんだが」
と告げた。
フィオレンティーナは目をパチクリと開けて
「あら、そうなの?」
と言い
「密偵と言う条件を付けたので、けち臭い皇子だと思っていたんだけど」
とクスリと笑った。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。