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収束

そこにいたロッシュは驚き

「フィオレンティーナ姫」

と立ち上がった。


そして、女性がジョンを抱き締め、直ぐに離れると頭を下げて

「良く、ご無事で…ジョン、皇子」

と告げた。

が、ジョンは女性を抱き締め返し

「姉上」

ご心配をおかけしました

と告げた。


それにロッシュは思わずドン引きしたのである。


フィオレンティーナは驚愕するロッシュに

「あらあら、気付かなかったの?」

とあっさり告げた。


ロッシュはギギギとフィオレンティーナに顔を向け

「フィオレンティーナ姫は…お気づきに?」

と聞いた。


彼女はにっこり笑むと

「ええ、城へ行くときにジョン皇子を頼まれた時に」

肉親の女性だと

と言い

「カイルとルイス男爵の元へ」

と戸を開けて目を見開いた。


そこにオズワンドのアーサー皇子がいたのである。


アーサーは彼ら4人を見ると

「やはり、上手くやったみたいだねぇ」

と言い

「さて、ウッド公爵の失態を報告しに行かないと」

と笑みを浮かべた。


フィオレンティーナは彼を見ると

「…何故?」

と聞いた。


アーサーはそれに笑みを消すと前を見つめ

「サザンドラの悪徳令嬢…リザ・フォン・グリューネワルト」

サザンドラの重臣の半数を断絶させた傾国の美女

と呟いた。


フィオレンティーナはそれに

「私のことを知っているようね」

もっとも美女は間違っているけれど

「美女と言うのは聖女のような輝く女性のことを言うのよ?」

と返した。


アーサーはちらりと彼女を見るとハハハと乾いた笑い声をあげて

「君こそ分かっていないな」

と言い

「本物の傾国の魔女はそれこそ聖女のように輝き慈愛に満ちた姿をしている」

悪徳令嬢と言われた君の方が聖女だ

「姿こそ聖女であっても心に魔性を持つ女は国を亡ぼす」

と馬の手綱を引き

「オズワンドは…2年前に終わった」

今のオズワンドはもうオズワンドではない

と呟くと馬を走らせて立ち去った。


フィオレンティーナはその消えていく背を見つめ

「…2年前に…オズワンドは終わった…?」

それは一体どういう

と呟いた。


それにロッシュが

「フィオレンティーナ姫、今はジョン皇子を連れてこの事態を治めることが優先かと」

と告げた。


フィオレンティーナは頷いて

「そうね」

と答えた。


ジョン皇子の姉であるローザ皇女を残し三人は急いでカイルとルイスの連合軍に合流をした。


結局、王都を守っていた軍の指揮する人間は現れずジョン皇子が呼びかけると次々にアイスノーズの兵は投降し、オズワンドの兵は混乱するように逃げ去ったのである。


その後、王都の外れでウッドとクラークとヒューズの遺体が見つかった。

オズワンドの兵士が今回の侵略行為の口封じをしたのだろうと誰もが考えていた。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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