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収束

ジョンはフィオレンティーナの『フラフラと…』というカイルをまるで風来坊のよう揶揄する言い方に思わず苦笑し

「貴女は私が知っているどの姫とも違う」

と言い

「まるでルイス男爵などと国の行く末を話している時のような感覚になる」

姉上も…そう言う部分があったが…

と呟いた。


フィオレンティーナは微笑みながら

「あらあら」

私は一介の側室ですわ

「今は侍女ですし」

と立ち上がり、水筒の中に毒入りの食事を入れると服の下に隠して

「くれぐれも皇子は皇子自身の身を最優先にお考え下さい」

三人の皇子がいてこそアイスノーズなのですから

と告げて立ち去った。


ジョンは彼女が出て行った戸を暫く見つめ苦く笑みを浮かべた。

「カイル皇子の…側室とは」


もしできるならば自分の側にいて力を貸してもらいたいと思ったのである。

共に北の未来の為に同じ位置で生きてもらいたいと思ったのである。


それはアルフレッド皇子も同じであった。

彼は中央の王城で外を見つめ

「フィオレンティーナ姫…ご無事で」

と呟き、そっと笑みを浮かべた。


フィオレンティーナは給仕を終えて廊下を行きながらいつも現れるオズワンドのアーサー皇子が現れないことに違和感を覚えた。

「今日は姿を見せないのね」


そう思った瞬間に侍女の一人が慌ててかけてきたのである。

「今、カーミラ侍女長が全員を招集されていて…貴女にはジョン皇子の元へ残るようにと指示があったの」


フィオレンティーナは大きく事態が動き出したと理解すると

「かしこまりました」

と言い、侍女に食事の台を渡すと踵を返して駆けだした。


王都の直ぐ側にカイル皇子とルイス男爵とウイリアムズ子爵を中心としたジョン皇子救出部隊が迫っていたのである。


彼女はジョン皇子の部屋の近くで扉に押し掛ける兵士を見て足を緩めた。

そして頭を下げると

「ただいま、アーサー皇子よりジョン皇子に身形を整えるようにとご指示をいただきました」

と告げた。


兵士の一人が彼女を見ると

「アーサー皇子が?」

と聞いた。


彼女は平然と

「はい」

火急とのことで

と告げ、扉の中へと足を踏み入れた。


そこに兵士に抑え付けられるように囚われているジョンの姿があったのである。


恐らく部隊の中心者だろう兵士が

「…なるほど、確かにこの状態では北の民に呼びかけたとしても我々が怪しまれるな」

と言い、兵を引き部屋から出ようとしたが不意に

「いや…だが一応念のためにアーサー皇子に確認をしてこい」

と兵士の一人に指示を出した。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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