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収束

ウイリアムズはカイルを見ると

「貴方は我々が貴方を裏切り殺すことは考えられないのか?」

と聞いた。


カイルはそれに笑むと

「俺の重臣たちも貴殿と同じでこの愚かな俺に付き従ってくれている」

どうするかは貴殿が良く分かっていると思う

と答えた。


己がジョン皇子を殺されたならば…どうするか。


ウイリアムズはふっと笑い大きく笑うと

「ジョン皇子の救出という目的が一緒ならば…カイル皇子」

貴方の身は私の身をかけてお守りする

と答えた。


それにカイルもルイスも安堵の息を吐き出した。


ウイリアムズはルイスを見ると

「王都はオズワンドとクラーク、ヒューズで抑えられているが私を始めとした多くの者は動くに動けない状態にいる」

ジョン皇子のお気持ちを汲めないまま突然この状態になったからな

「この手紙を見せて説得すれば動くものはいる」

と告げた。


それにカイルとルイスは笑みを浮かべた。

カイルは心配する近衛兵たちをアルフレッド皇子への伝言と共に約束通りに立ち去らせたのである。


ウイリアムズの私兵は多いわけではないが武器が優れており力の無い者でも扱えるという特徴を持っていた。


ウイリアムズを守っていた兵が持っていたのは魔導銃という兵器であった。

人が持っているエネルギーを特殊な鉱石と回路で殺傷能力へと変換したモノであった。


カイルはそれをウイリアムズから説明され

「北の技術は想像以上に進んでいるんだな」

と呟いた。


ウイリアムズは笑むと

「使うためにはそれなりの訓練が必要ですし」

この鉱石は容易く手に入るものではありません

と答え、南と中央が容易に準備できないことを示唆したのである。

「南には豊かな土壌」

中央には豊富な鉱石

「皇子は北が発展するには技術力しかないと多くの他国の技術者や医術者を呼び寄せて国中の技術者や医師…それらを目指す者達に無料で学ばせる道を選んだのです」

今回のことはその見立てが甘かったということですが

「何もない北がやっていくにはそれしかないと私も思っておりました」


ルイスも静かに頷いた。


カイルは「なるほど、そうだったのか」と呟いた。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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