北の奪還作戦
彼女はそれを手にして開くと
「…これは」
と呟いた。
ジョンは「分かるのか?」と聞いた。
フィオレンティーナは本を閉じてジョン皇子に返しながら微笑み
「詳細はわかりませんが」
色々なことが分かりました
と答えた。
「南は農産物」
中央は鉱産物
「北は何をもって民を土地を支えようとジョン皇子が考えられたか…ということだけは」
ジョンは驚いて目を見開いた。
フィオレンティーナは夜食を水筒に入れながら
「私は城の中しかわかりません」
けれど
「北は中央よりも寒く作物が育たない土地だと分かります」
そして中央のように鉱産物などが取れなかったら
「その考えは強ち間違いでないということは理解できます」
と微笑み、立ち上がると部屋を後にした。
それを見計らったようにオズワンドの男性が部屋の前の廊下に姿を見せたのである。
男性は空になっている皿を見ると
「ジョン皇子はちゃんと食べたようだね」
とニヤニヤと笑いながら告げた。
フィオレンティーナは警戒しつつも表情を変えず
「はい残さずに食べられました」
と答えた。
男性は顔色表情一つ変えないフィオレンティーナを少しのあいだ見て直ぐに
「…なるほど」
と答えるとそのままジョン皇子の部屋へと姿を消したのである。
フィオレンティーナは小さく息を吐き出し
「今まで出会った人間の中でも上位に入る心が読めない部類の男ね」
と呟き、厨房へと向かった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




