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北の奪還作戦

兵士は黙って彼女が前を通るのを見送った。

怪しまれていないようである。


しかし、フィオレンティーナが厨房へ戻りかけた時にジョン皇子の部屋にいた男が昼食を見て

「手を付けていない…みたいだな」

と呟いた。


フィオレンティーナは冷静に

「かなりお加減が悪いようで食欲がないと仰られたので」

と告げた。


男性は腕を組むと

「必ず食べさせるようにと言っただろう」

夜食は必ず食べさせろ

「そう言われると思うけどねぇ」

と笑い、皿を手にすると外へと中身を捨てた。

「次からは助けないよ?」

オズワンドの人間だからねぇ俺は


フィオレンティーナは驚きつつもそう言って立ち去る男性を肩越しに一瞥して

「…オズワンドの人間であることに間違いない」

けれど

「何故…?」

と心で呟き、厨房へと戻った。


彼女は城の裏にある侍女の部屋に戻ると心配そうにしていた侍女長に空の水筒と握り飯を包んでいた布を渡すと

「ジョン皇子は感謝すると仰って食べられました」

と告げた。


カーミラは「そうですか」と涙ながらに

「ありがとうございます」

と答え

「これで少しでもお身体の状態が良くなれば」

と呟いた。


フィオレンティーナは彼女に

「また握り飯と水筒をお願いいたします」

水筒は少し大きめで

と告げた。


カーミラは微笑んで頷くと

「かしこまりました」

と答えた。


フィオレンティーナは更に

「その、できればで良いのだけれど」

と言い

「今日の夜食を水筒に入れて持ち帰ります」

その中に含まれている身体を害する薬物が分かる信頼できる医師と連絡を取ることはできます?

と聞いた。

「無理ならばいいのですが」


カーミラは少し考え

「町医者にラグというものがいるのですが…まあ私を含め侍女が多く掛かっているので信頼できるものなのですが…その…やる気のないヤブで…」

と溜息を零した。


フィオレンティーナは少し考えたものの

「そうね」

分からなくて当然だけれど

「試さない手はないわ」

と言い

「そのラグという医師が本当に信頼できるのならば一度調べるようにお願いしてください」

と告げた。


カーミラは頷くと

「かしこまりました」

私が持病の腰痛ということで今夜それを持ってラグの元へ行きます

と告げた。


フィオレンティーナは笑んで

「ありがとうございます」

と答えた。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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