北の皇子
カイルは驚いて「は!?」と声を零した。
アルフレッドも目を見開いて彼女を見た。
フィオレンティーナは微笑むと
「ルイス男爵、クラーク公爵とヒューズ子爵がオズワンドに取り込まれていることは分かっているのね」
と告げた。
ルイスは驚きながら頷いた。
「はい」
フィオレンティーナは頷いて返し
「反対に取り込まれていないと思われる重臣もしくは有力者は分かる?」
と聞いた。
「ジョン皇子のこの手紙を見せて北の中の忠臣に動いてもらいましょう」
カイル皇子にはルイス男爵とその説得役をしてもらった方が良いわ
「もちろん、万が一の為にアルフレッド皇子には北との境に防衛線を作ってもらわないといけないけれど」
アルフレッドは静かに頷いた。
カイルは息を吸い込み
「わかった、それから俺の方は南に伝令を出してオズワンド側の境に防衛を張らせる」
と告げた。
そして大きく息を吐き出すと
「それで君がジョン皇子の救出に向かうということか」
とフィオレンティーナを見た。
フィオレンティーナは首を振ると
「救出じゃないわ」
ジョン皇子をお守りするわ
「状況が整うまで」
最後の生命線はジョン皇子が無事であることだから
「それは死ぬギリギリではなく少しでも健康であることが必要だわ」
北の忠臣たちを最後に動かせるのはジョン皇子だけですもの
と告げた。
「だから、ルイス男爵」
城の内部の地図と私が潜りこむことが出来る方法が思い当たれば教えて頂戴
ルイスは考えながら
「あるにはありますが…皇子の妃に侍女の真似など」
と呟いた。
フィオレンティーナは微笑み
「侍女ね、問題ないわ」
と答えた。
カイルは息を吐き出し彼女の手を握ると
「無茶はするな」
君は俺の…
と告げた。
フィオレンティーナはにっこり笑うと
「分かっているわ、側室、でしょ?」
と返した。
カイルはふぅと息を吐き出すと
「ああ、この契約が終わったら…君は俺の正妃にして飛び回らないようにしてやる」
と告げた。
フィオレンティーナは驚いて目を見開いた。
「あらあら、サザンドラの悪徳令嬢を?」
カイルは笑むと
「サザンドラでの評価はそうかもしれないが」
アイスノーズの評価が同じだと思うな
と返した。
アルフレッドは内心
「正妃、か…その言葉を俺が言いたかったな」
と小さくぼやいた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




