北の皇子
少ししてルイスの気が付くと三人は彼が身体を休めている部屋へと姿を見せた。
アルフレッドはルイスに
「ジョン皇子からの手紙を拝見した」
俺もカイル皇子も戦乱を望んでいない
と告げた。
「それでジョン皇子を救出したいと思うのだが…今北の内情を誰よりも知っているのはルイス男爵貴方だけだ」
水先案内人になってもらいたい
ルイスは頷き
「ジョン皇子は毒を盛られて身体の自由が利かない状態にあります」
だからこそこの手紙を私に託されました
と告げた。
アルフレッドはそれに
「つまり、急がなければジョン皇子の身が危ないということか」
と呟いた。
が、フィオレンティーナは首を振ると
「恐らく、ジョン皇子を死なせるようなことはしないと思うわ」
と告げた。
カイルはそれに
「ジョン皇子を失えば挙兵する理由が無くなる…そう言うことか」
と呟いた。
フィオレンティーナは頷き
「ええ、ジョン皇子を先王の後に付けることが一番の大義名分ですもの」
彼を失っては唯の謀反でオズワンドも攻め入る理由が無くなってしまう
「単なる侵略戦争になるわ」
と言い
「ただ、ジョン皇子の身体が健康であるかどうかは分からないわ」
命を盗らない…それだけの可能性はあるわね
と厳しい表情で告げた。
カイルはアルフレッドを見ると
「アルフレッド皇子は万が一の時の為に北に防衛線を」
但し貴方はここから動かないように
と言い
「俺が手練れの部下を連れてルイス男爵と王城に忍び込みジョン皇子を救出して北の反乱を起こそうとしている人間を反逆とするしかない」
と告げた。
「ジョン皇子を失ってもアイスノーズは崩壊するのなら食い止める方法は皇子の救出だけだ」
フィオレンティーナはそれに
「それは危険だわ」
でも
「カイル皇子にはもっと危険なことをお願いしたいわ」
と告げた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




