北の皇子
ルイスは夜が闇を深める中それを切り裂く様に一睡もせずに王都を目指し続けたのである。
アルフレッドとカイルとフィオレンティーナは門番からの連絡に急いで王城の門へと向かった。
カイルとアルフレッドの背中の痣が薄くなり始めたことに危機感を正に抱いていたところだったからである。
近衛兵が取り囲む中でアルフレッドは疲れ切った馬と薄汚れた姿をしても強い意志を秘めた瞳で己を見ているルイスを見た。
「ジョン皇子の重臣…ルイス男爵、か?」
ルイスは膝をついて頭を下げ
「はい」
本来ならば我が主君一人をあの王城に残してきた愚かな自身を恥じて自害したいところですが
「ジョン皇子の密書を私の手で必ず渡すようにと託され…恥じ入る身をさらしに参りました」
と告げた。
そして、手紙を取り出すと
「これを…ジョン皇子からの手紙でございます」
皇子は決して内乱を望んではおりません
と告げた。
手紙を近衛兵が受け取り目の前でアルフレッドに渡した。
ルイスはアルフレッドがそれを開けるのを見るとその場に倒れ込んだ。
アルフレッドは驚いて
「直ぐに手当てを」
それから彼が気付いたらすぐに知らせて欲しい
「俺とカイル皇子から話があるのでその事を伝えくれ」
と告げた。
手紙には先王の後を継ぐことを望んでいないということとオズワンドが北の重臣を取り込んでアイスノーズを崩壊させようとしていることが書かれていた。
最後に最も信用しているルイス男爵の身を願うことが書かれていたのである。
カイルはアルフレッドを見ると
「やはりジョン皇子を救出するしか道はないか」
と呟いた。
アルフレッドも小さく頷いた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




