背中の紋章の変化
アルフレッドは目を見開き綺麗に微笑むと
「なるほど」
その信頼に応えなければならないですね
と答えた。
カイルはフィオレンティーナの横顔を見つめ息を飲み込んだ。
間違いなく彼女がサザンドラで傾国の悪徳令嬢と言われるくらいに半数の重臣を破滅させることができた理由は美しさと知性とこの人を惹きつけて止まない魅力の賜物なのだと実感したのである。
カイルは小さく息を吐き出し
「味方にすれば共に手を取り安寧の地平を見ることが出来る最高のパートナーになるが」
敵に回せば魅了されたまま地獄へ堕とされる悪徳の美女になるな
と心で呟いた。
カイルは意識を今に戻し
「俺としてはアルフレッド皇子とジョン皇子と俺とで会談を持ちたいと思う」
そう言う理由をつけてジョン皇子と対面できればと考えている
と告げた。
「それもここ数日の間に」
オズワンドが動いているとなるとこちらも何を差し置いても迅速に動かなければ
「足元を抄われる前に三人で意識を合わせる必要がある」
アルフレッドもそれには頷いた。
「確かに我々が直で会うことが一番の早道だが」
問題は何処で行うかと言うことになる
カイルもそれには腕を組んで言葉を止めた。
カイル自身背中の紋章の意味をフィオレンティーナに指摘されるまで知らなかったのだ。
ジョン皇子がその事を知らずにオズワンドの手に落ちて自分たちに敵意を持っていたとしたら会談に呼びかけても拒否する可能性がある。
そうなると北と隣接している中央のアルフレッド皇子もその側近たちも『北が反旗を翻す可能性あり』と確認する形になるのだ。
カイルはふぅと息を吐き出すと
「かといって俺とアルフレッド皇子が北に向かえば飛んで火にいる夏の虫似なる可能性があるな」
と呟いた。
一番のネックは北の状態が分からない事なのだ。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




