アルフレッド皇子
深く漆黒の瞳がキッズを捉えた。
ロッシュは一瞬ギョッと驚いて彼女を見たが息を吸い込むと己がやるべきことを様々な事態にあわせて脳内でシミュレーションを行っていた。
彼女を守ることを第一として万が一でも大きな騒ぎになりそうならどう収めれば良いかを考えた。
が、キッズは僅かに目を見開いて直ぐに笑みを浮かべると
「北と中央で内紛…ですか」
と言い
「つまりアルフレッド皇子とジョン皇子が…父王の地位を狙ってと?」
と聞いた。
フィオレンティーナは視線を一瞬横に向けて直ぐに戻すと
「そうね。どちらか、もしくはどちらともにその野心があれば」
とキッズを見た。
「この王都に住む貴方から見てどうかしら?」
キッズは静かに
「それはない」
と答えた。
「アルフレッド皇子にアイスノーズを統括して己が王になろうという野心はない」
それはアイスノーズが望んでいないと知っているし
「ジョン皇子も同じだと思う」
けれど父王が亡くなってそう言う噂が他の国で出てもおかしくはないかと思っている
そう小さく息を吐き出して告げた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




