1話 日常は消える
今日からぼちぼち書いていきます
1話 日常は消える
「・・・きて」
うん? なんだ?
「おきて」
起きるわけないだろ、今授業中だぞ
そう、今は授業中だ。教師のありがたーいお話と書いて念物と読める例のあれだ。
「おきろや」
いや、おきないって。いいから静かにしてくんないかなー?
起きたって何も変わらない。ただいつもと同じ時間が流れ、そして気づいたら終わり帰りまた始まる。
だから、俺は起きない。いいことや楽しいことなんてもうこの世界には残されていないのだから。
希望も何もあったもんじゃない。だから、おれはこの退屈な時間を有効に活用しているのだ。
むしろ、まじめにここにきてること自体に感謝してくれてもいいんじゃ?
「・・・」
おっ、やっと静かになったか
そうだ、それでいいんだよ。それじゃ、おやすみ~。
「っ、痛ったー」
いきなり、おれは頭に衝撃を覚えた。
訳が分からないまま、とりあえず頭を押さえ、顔を上げて叫ぶ。
「なにすんだこらーーーーー」
「うん? なんだって?」
「あっ」
その瞬間、俺は血の気が引いた。
俺の目の前には、笑顔のまま額に筋を入れるというなかなか器用なことをしている女性が立っている。
あー、先生か。俺終わったかもな。
俺は頭を押さえたまま席を立ち、この教師の次の言葉を待つ。
「はあ・・・」
教師は、ため息をつき、それ以上は何もせずただただ授業を続ける。
これは、いつものことだ。先生は、眠っている生徒に体裁として怒りはするがそれ以上はなにもしない。
要するに、俺は見限られているのだ。
なんて言ったって、俺はおちこぼれなのだから。
俺も眠った、反省などしない。
そんなことをしても、何も変わらないのだから。
授業は、何もなかったかのようにつづく。授業中にこんなことが起きれば普通は周りも騒ぎ立てそうだが、そんなことも起こらない。
まあ、これも想像がつくかな? 落ちこぼれは、腫物を扱うように周りからは避けられ、いないようなものとして扱われる。
「はぁ・・」
やはり、この世界にもこの状況も見慣れたものとはいえ、なれるものではない。
そんな、いやな状況から逃げるように俺は再び目を閉じる。
そして、少しでもこんな状況が早く過ぎるように願い目を閉じる。
「へ?」
急に、教室が静かになり、俺は顔を上げる。
そんな俺の目に移りこんできたのは、真っ赤な色に染まる世界と、鉄の塊のような化け物。
「機魔だ・・・」
今日から、ぼちぼち更新していこうと思います。
興味ある人は見てください~