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第3話 空木の選択


「、、、、、あ、えっと、あの、、ライバル協定とは、、、?」


御代田が覚悟を決めたような顔で真剣に俺に言って来たのだが、この16年生きてきて全く聞き覚えのない言葉だったのでそのまま聞き返してしまった。


「私も今考えたんだけどね、」


今考えたなら聞き覚えがなくてもしょうがないか。


「ライバル協定っていうのは、簡単に言うと私と空木くんライバル同士がお互いの恋のために協力し合うっていうことよ。」


「協力し合う、、、?」


そもそも俺は天谷のことは好きじゃないからライバルではないけれど、御代田はしっかりそう思い込んでいる。


「協力し合うのは嫌?」


「嫌っていうか、うーーん。」


「そういうと思って、もう一捻り考えたのよ。」


そう言いながら御代田は人差し指を立てて自信ありげに話し始めた。


「しっかり協力し合うのはもちろん、絶対にお互いの邪魔はしない。だから私が空木くんの恋の邪魔をするなんてことは一切ない!もしどっちかが選ばれても恨みっこなしにする。どう?」


すごく真剣な顔で、どうと言われても。

俺が微妙な顔をしていると御代田は焦り、先ほどよりも机に身を乗り出してきた。


「空木くんの方が天谷くんに近いから協力の度合いが上がって私の方が利益になってずるいとか思ってるかもしれないけど、そんなことない!私だって全力で空木くんの協力をするから!どんな手を使っても!」


どんな手を使ってもって、、言い方は怖いけれど御代田は本気らしい。


「、、、それって俺がなんかに協力して欲しいって言ったら、御代田さんがちゃんと俺に協力してくれるってこと?」


「そう!私も空木くんが協力して欲しいことにちゃんと協力する。」


御代田は俺の目を見て、はっきりそう言い放った。



俺は一つ考えたことがある。


御代田に協力してもらうことを天谷と俺がくっつくことにではなく、俺の、自分のためだけの協力にすれば良いのではないかということだ。

こういうことをして欲しいと自分がしてほしいことを言って、ちゃっかり御代田と一緒にいることを増やす。

そうすれば御代田と協力関係を結ぶことにより、全く話さない今よりも話すことが多くなるだろう。

足並みを揃え共に過ごしていく日々、今よりも御代田明花という女の子を深く知ることができ、近く感じることができるだろう。

好きな子をただ見ているだけの高校生活は一緒に協力し合う関係としてワンランクアップすること間違いなしだ。



「その協定、、、。」


「うん!結ぶ?」


条件が良いからこそ、


「お断りさせていただきます。」


これが妥当な判断だろう。

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