部屋でくつろぐ7~バーストの正体~
「神聖王様」
「ん?なんだ?」
「我が王家は神聖王様達を永遠に信仰をして、祈りを捧げます。けして、神聖王様を裏切る行為は致しませんと誓います」
「そうか。勝手にやれ!」
「父さん!そんな言い方は無いでしょう?」
「母さん?母さんならば、分かるだろう?人間は直ぐに裏切る生き物だとな?しかも、100年ならまだしも、それ以降の子孫達がな!それに人間同士の約束も直ぐに裏切るだろうが!俺は人間の約束は期待はせんよ」
「しかし、そうは言っても、この方々は私達とは代々繋がりが」
「あるな?しかしな?誑かす奴が居たらどうする?なぁ?」
と、父さんはバーストさんを睨んだ。
「なっ!?わ、私が陛下達を誑かす訳がありませんが?」
「どうだかな?お前!ただの人間ではないだろう?気配は隠せても堕天使の匂いがするぜ?」
「えっ?堕天使?バーストが?」
エリサがびっくりしている。
「…………」
「なるほどね?」
「聖?えっ?どういう事?」
「昨日の襲撃事件の時にバーストさんの報告が異常に速かった。俺が暮らしていた地球なら通信とか色々と発達しているから別に気にしないけどね?しかし、この世界では、自分達の足で情報を持ってくるのが当たり前だ。ここから、爆発した場所まで、どの位の距離があると思う?それこそ、転移魔法を使わないといけないだろうね?」
「あっ!?た、確かに?」
「だから、俺はバーストさんを疑った。もしかしたら、敵と内通しているのではと?はっきり言って、あの時は、迷ったよ。俺がこの場を離れても大丈夫かとね?」
「あの時はたまたまですよ。たまたま、門番の兵士達と情報の話をしていたら、爆発物のようなモノを投げ込まれてましたから、私は咄嗟に兵士達を連れて、安全な場所まで緊急避難をしましたよ。そして、聖さんの言うとおり転移魔法を使い王女様にご報告を申し上げたまでですよ。私は、この王女様に仕える執事長ですからね?」
「堕天使が、何の目的でここに居る?」
「確かに私は堕天使ですが、私はハーフ堕天使ですよ。母親が人間です。私の過去を詳しく語りたくありませんが、私が、ハーフ堕天使という事で、他の堕天使達から迫害を受けましてね。堕天使達が暮らしている場所から逃げて来たのですよ。ま、当時は行く宛もなくさ迷っている所にたまたま陛下の馬車が通りましてね。この私を拾ってくれました。以来、私は執事のスキルを磨き、あの時の恩を返すべくにこうしてお仕えしている訳でございます。勿論、何の野心もございませんよ。しかし、まさかに匂いでバレるとは想いませんでしたがね?」
「フン。天使達や堕天使達の匂いは分かるさ。神を嘗めるなよ?」
父さんに睨まれて、バーストさんは萎縮した。
「お父様?今の話は本当なのですか?」
「ああ、本当だ。あの日、バーストがボロボロの状態で歩いていてな?それで気になってな、宮殿に連れ帰ったのだ。まさか、堕天使とは知らなかったがな」
「お優しい王様だな?」
父さんが揶揄する。
「イヤー。あまりにもボロボロでしたので………つい」
「護衛達がいたとはいえ、もし襲われたらどうするつもりだ?お前が死んだら、全国民達を路頭で迷わすつもりだったのか?」
「うっ!?そ、それは………」
「その優しさも良いが、お前には全ての国民達の命がお前にかかっているんだ!それを忘れるな!!」
「も、申し訳ございません………」
陛下は父さんに頭を下げた。
「お前は一国の王だ!国の為、国民達の為に一所懸命に国王として一生懸命に働け!」
「はっ!ははっ!!神聖王様の御言葉、肝に銘じます」
「ああ」
「神聖王様?」
「なんだ?」
「私を完全な人間にする魔法とかございませんでしょうか?」
「完全な人間?なぜだ?」
「はい、私は人間として生きたいのです。私は堕天使としても人間としても半端者です。ですから。私は完全な人間に成りたいのです」
「そうか、残念だが、ハーフ堕天使が人間に成る魔法はないな」
「そう………ですか………」
「諦めろ!」
「父さん?意地悪な事を言うのではありません。バーストさんでしたけ?良いですか?元々堕天使は天使が悪に染まって堕天使になったのです。ですが、堕天使から天使に戻る事ができます」
「えっ?て、天使に?ハーフ堕天使もですか?」
「勿論です。ですが、ハーフ堕天使は元々から堕天使ですから、かなり努力が必要です。それは、心を改心する事です。心を改心が出来れば、堕天使から天使に戻る事が出来ます」
「か、改心ですか?」
「そうだ。だが、その改心が難しいのさ。もし、改心が出来るなら、元々から堕天使なぞやらない」
「た、確かに………では、私も改心する事が難しいのでしょうね?」
「そうですね?先ほど言いましたが、貴方はハーフ堕天使です。かなりの努力をしなければ、天使に成りませんが、過去に堕天使から天使に戻った天使がいますよ」
堕天使から天使に戻った天使?誰だ?




