部屋でくつろぐ3~エリサの両親登場~
「さてと、オレは帰るわ。あまりここに長居をしてもな」
兄さんが席を立つ。
「そう?じゃあ、またね」
「ああ」
兄さんは帰って行った。
「そういえば、バーストさんは?」
「バーストは宮殿よ。私の一週間の生活を報告をお父様達にしているわ」
「なるほどね」
『エリサに聖よ。学園長室に来るのじゃ』
と、学園長からの呼び出し。
「一体何事かしら?」
「さあ?ま、とりあえず行ってみましょうか?これを使って」
俺は、ドアを出した。
「あっ!コレって神界に行った時の?」
「えっ?コレで行ってきたの?」
「そうだよ。けど、コレはその劣化版だよ。言うなれば、転移魔法の練習のドアだよ」
「転移魔法の練習ドア?」
「転移魔法はイメージでしょう?その行きたいイメージをこのドアノブに触って開くと、行きたい場所に行けるんだ。しかし、イメージがあやふやだと違う場所に行ってしまうのよ。これなら、事故が無く練習が出来るでしょう?」
「なるほどね。考えたわね?」
「コレで、学園長の所に行こうか」
「そうね」
「私達はお留守番しているわ」
「分かった」
俺達はドアを使い、学園長の元に行く。
「なんじゃ?」
「学園長?用事とは?」
「コレは聖、オヌシの魔法か?」
「そうですが?」
「で?学園長?私達を呼んだ理由は?」
「ウム」
隣りの応接室から豪華な衣装を着た男女が出て来た。
「お父様!?お母様!?」
エリサが驚く。まさか、両親が来るとは、エリサも思ってもみなかったのだろう。
「エリサのご両親ということは?」
「ええ、現国王陛下と現王妃よ」
「なるほどね。バーストさんが喋ったのか?」
「ごめんなさい。バーストには聖の事はお父様達にはまだ喋るなと言っておいたのに!!」
「そう言うなクレアよ」
「そうですよ。バーストから話を聞いて居ても立っても居られなかったのでやって来たのよ」
「貴女様が神聖王様の御令嬢の聖様ですか。わたくしたちはこの王国の国王と」
「その妻でございます」
2人は俺に頭を下げる。
うーん、一国の王が頭に下げられるのは、あまり気分が良くないな。
「国王陛下、王妃様、頭を上げてください。私は一市民として暮らしております。私に会いに来てくれたのは嬉しく思っておりますが、私は此処におりますクレア王女様と同じ考えです。私の存在は極秘でお願い致します」
俺は頭を下げる。
そこに父さん達がやって来た。タイミングが悪いよな?
「あら?聖?まだここに居たの?」
「一度、部屋に戻って、学園長に呼ばれたから来たんだよ。そういう父さん達はどうしてここに来たのさ?」
「聖の魔力を頼りにして来たのよ。転移魔法はこういう使い方もあるのよ」
「あーそうですか?なんか、自由自在に気を察知してどこでも行けるアニメの主人公みたいだね?それよりも、どうしてこんなにも早く?遅くなるのではなかったの?」
「そうだったのだがな?ファルコンさん達が忙しくてなゆっくりと話も出来なかったんだ」
「私達が居ては余計にやりづらいと思ってね。お暇したのよ。逆に悪いことをしてしまったわ」
「そうだったのか?私達は「聖や」
学園長が呼び止める。
「あっ!また気絶をしている。しかも今度は親子で」
また、エリサが気絶をした。国王陛下と王妃もだ。
しかも、陛下達は立ったままで。
「一体なんなの?」
「学園長に呼ばれた理由は、エリサの両親、王族が来たからだよ。で、そこに居るはずもない父さん達が急に登場したものだからさ、頭が処理が出来ずに気絶をしたのよ」
「そうだったのか?」
「しかしね?このお嬢ちゃんは2回目だから、気絶しなくても良いのでは?」
「仕方ないでしょう?真ファンなら、何度も見ても気絶をするよ。と言ってもどうしょうか?」
「せめてお嬢ちゃんだけでも起こさないとね?こういちいち気絶をされたんじゃ話にならないわ」
母さんに言われた通りに俺はエリサを起こした。
学園長はやれやれという顔になった。




