部屋でくつろぐ1
エリサを俺達の寝室に案内したが。
「へぇー?ここが貴女達の部屋なんだ?結構狭いわね?よく暮らせるわ」
悪気の無いエリサの一言。
「オイオイ?これが狭いって?」
「私はかなり広い部屋と思いますが?」
「個室なんてもっと狭いわよ?」
「と言うかは、エリサの部屋が広すぎるよ」
「そうなの!?私の部屋が普通だと思っていたわ」
「そういう感覚は王女様なんだね?もし、エリサが個室を希望したら突っ切って、窓から落ちてしまうよ?」
「オイオイ、いくら何でもそれはないだろう?」
「うーん、あるかもね?狭すぎて、判らなくて窓から落ちてしまうかもしれないわ」
「まじか?」
「まあ、私が入学する前の話ですよ。実際は個室を見る前に断れてしまいましたので」
「だよな?」
「エリサはこれからも俺達の部屋にも来るのだろう?」
「そうね?でも、聖?言葉が男に戻っているわよ?」
「まあな。父さん達が居るからな。どうしても、前世の俺の感覚に戻ってしまうのさ」
「神聖王様が居る………そう言えば、私、気絶をしてしまったわ………神聖王様は怒っているかしら………」
「怒らない、怒らないよ。父さんはそんな心が狭い神ではないから」
「そう、良かったわ」
「はい、リビングに行くよ」
皆を連れてリビングに行く。
「リビングは広いのね?」
「まあね。皆が集まる所だからさ」
「なるほどね」
「あっ!テーブルや椅子が増えているわ」
「昨日、パパ達が泊まったからさ、足りないから足したんだ」
「そうだったんだ?私、ご飯を食べる前にお風呂に入るわ」
「そうだね。俺も入るかな?兄さんやリク、エリサは入る?」
「俺は良い。戦いという戦いをしなかったしな」
「私も良いです」
「私も遠慮するわ」
「そう、じゃあ、行こうか?」
「うん」
俺達は空間に入って行った。
「えっ?消えた?聖とマリアが消えた?どういうこと?」
エリサはびっくりしている。
「ああ、大したことはない、聖の空間魔法さ」
ガイはエリサに説明をした。
「………という訳だ」
「聖は凄いわ。さすが、神聖王様のご令嬢だわ」
「イヤ、それは関係ないぞ。聖はこの空間を創ったのは神聖王様に会う前にやったのだからな」
「そうなの?」
「お姉さまは、転生した時から凄かったのですね?良かった。私、マリア様の母上の絵を観ないで。もし観ていて、父上から話を聞いて、マリア様だと判れば、あの時に直ぐに襲いかかっていましたから………100%お姉さまに返り討ちにされていましたよ」
「イヤ、あの時の聖なら、どうなっていたか分からないぞ?あの時の聖は完全に魔法使いタイプだったからな。お前らの闘気術には敵わなかったかもしれんな?おふくろとの模擬戦でも、たった一合の剣を合わせただけで降参していたからな」
「そうだったのですか?でも、昨日、私とやり合った時は打撃力が凄かったですよ」
「それは空間でかなりの修行をしたからだな。お前もやっただろう?」
「あっ!は、はい!やりました」
「確か、ここの時間で1秒が空間だと1時間ですよね?」
「ああ。はっきり言って、反則だがな。ま、オレ達もそこで修行しているからな。前よりも魔力量が増えているぞ」
「そうだったのですか。聖は凄い事を考えたわね?」
そこに俺達が出て来た。
「お姉ちゃん!バトルスーツを着てよ」
「イヤよ。マリアは俺をエロ女って言っていたじゃん!」
「それはただの挑発だよ。本当はお姉ちゃん格好いいと思っていたもん」
「けど、嫌だよ。あれは、鎧を着る為のスーツだったのよ。今回は念の為に着ていただけだよ」
「ぶーっ!」
「膨れても無駄だよ。俺はお昼ご飯を作るから」
「お昼ご飯はなに?」
「ハンバーグだよ」
「やったー♪お姉ちゃんのハンバーグは好き。後、スクランブルエッグも作って、私、朝食べていないからさ」
「はいはい」
俺達のやり取りを兄さん達はぽかんと見ていた。




