2人のマリアとクーデター20~聖とマリアの史上最悪の姉妹ケンカ1~
~マリア・アトランティスの屋敷~
「マリアは食べないの」
聖は再度、マリアに聞いた。
「ええ、私は要らないわ。だって」
マリアはニヤリと嗤い、指を鳴らす直前に、ラキが。
「あ、あの。このパンですけど………」
「え?」
マリアはあっけにとらわれる。見た目は何の変哲もないパンだからだ。
「何?口に合わなかった?」
「いいえ、このパンは私達、アトランティスに代々伝わっているパンで、祭りの時にしか振るわない特別なパンなのですが、何故、貴女がこのパンを作れるですか?」
「作れて当然よ。当人に教えて貰ったからね?」
「え?貴女もジブリール様に教えて貰った?」
「そうだよ。そして、確かめたかった。がぶり姉ぇが本当にここに来たかを」
「ガブリ姉?ジブリール様がガブリ姉って?」
「ジブリールはがぶりえるというもう1つの名を持っている。そして、がぶり姉ぇは私の育ての親でもあるんだ!」
「育ての親!?貴女も天使様なのですか?」
「違うよ。私は神さ。神聖王の娘さ」
「えっ?し、神聖王様の娘!?で、では………私は、守護神様の娘様に手をあげてしまったの!?申し訳ございませんでした!!守護神様の娘様とは知らずに攻撃をしていまいました。この数々のご無礼は私の命で償います!!」
「止めなさい!そんな事で死ぬバカな奴がいるか!!」
「し、しかし………」
「貴女がやった行動は、子供達やマリアを守る為にやった行動でしょう?怒りはしないよ」
聖がそう言うとラキは頷いた。
「なら、私は怒らないよ」
「あ、ありがとうございます」
ラキは頭を深々と下げた。
「お姉ちゃん!美味しいご飯ありがとう~」
「美味しかったよ~」
子供達がそう言った。
「そう、良かったわ」
「でも、私達の食料不足である事には変わりません。今はお腹一杯に食べられても、明日以降からはまたひもじい思いをして生きて行かないといけません………」
「あなた達?農業技術とか無いの?畑を耕して、肥料を与えて土地を豊かにして野菜や麦を大量に作るとか?野生動物を家畜化にして飼うとか?さ?」
聖がそう言うとラキがポカンとしていた。
「無いのね?というよりも、ここに来て16年間、なにもやって来なかったのね?」
「はい………族長が必要がないと………」
「「アホか」」
聖とマリアの声がハモった。
「気か合うね?」
「まあね。でも、やって来なかったという過去よりも今だわ。だから、私がこの世界を支配してあげるわ」
「なっ!?ま、マリア女王様!?」
「へぇー?私が居るのに大きく出たわね?」
空気が変わる。
「ええ、私はマリア・アトランティスよ!貴女が知っているマリア・マーカーではないもの」
「貴女は判っていない。あなた達は2人で1人だよ。貴女と会って判った。貴女も私の妹だよ」
「そう。でも私は貴女を姉とは認めないわ!(ごめんなさい……私は、貴女の妹になる資格はないの…………えっ?……………そ……………………メ……………)」
「今は、良いわよ。それでもね」
「…………(…………!)」
マリアは何故かボーとしている。
「神様?私達はこれからどうしたらいいのでしょうか?」
ラキが聖に訊ねた。イヤ、話を逸らしていた。
「神様は止めてね。聖と呼んで」
「は、はい。分かりました」
「聖?変わった名前~」
「うん」
「コラ!聖様に失礼でしょう!すみません子供達が」
「でも、覚えたでしょう?」
「はい!」
「聖お姉ちゃんまたご飯を出してね?」
「とても美味しかった。また食べたい!」
「ありがとう。でも、私だけでは食料不足は解決はしないよ。これはあなた達の問題だからね?それに私達はマリアを連れ戻しに来たのよ(ん?この感じは?)」
「分かっています。しかし、今直ぐには………」
「そうね。今は元凶を退治しないとね?」
「元凶退治………族長の事ですか?」
「そう。リクの父親。ソイツに今回の責任を取らせる!16年前の事は私も話を聴いたが、貴女達のやり方が間違っていた。だから、このへんぴな辺境の地まで追いやられた。でも、一部の人間は反省をしていなかった。その中で一番の元凶があなた達の頭だ!!(なるほどね?)」
「………その通り……です……族長の言葉が絶対ですから………」
「あなた達は、最低な奴を族長にしたな?」
「………族長はアトランティス王が自分を指名したと言っていましたが………」
「それが怪しいんだ!ソイツは、アトランティス王の死を改ざんした奴だぞ?あなた達はアトランティス王の本当の死を知らない」
「えっ?アトランティス王は王国の兵士達に王妃様と惨殺されたのではないのですか?」
「違うよ。1対1で戦い、闘気術の使いすぎの為に亡くなったんだよ。戦いはアトランティス王が勝ったと戦った当人が言っていたよ。そして、王妃が亡くなったのは、その戦いを止めに入って、アトランティス王の拳で亡くなったのよ」
「そ、そんな…………それが真実なら、私達は今まで………」
「そう、族長に16年間騙され続けられていたのよ。その真実の話を知っていたら、あなた達の生活も変わっていたかもしれないわよ?」
「………」
ラキはショックか混乱か分からないが立ち尽くしていた。子供達は心配そうにみていた。
「………もう関係ないわ!私が全て滅ぼしてあげるから!」
マリアの魔力が上昇している。
「マリア?そう出来ない事を言うんじゃないの!!」
「貴女には関係ないわよ!自称神様?こんな世界は私が潰してやるわ!」
「えっ?ま、マリア女王様?」
ラキが正気に戻った。
「マリア!!貴女本気?」
「ええ!邪魔をするなら、貴女から倒してあげるわよ!自称神様の聖!!」
「面白い事を言うじゃない?分かった受けて立つよ!だが、ここだと、子供達に危険で及ぶ、離れた所で戦うよ!」
マリアはニヤリと嗤い。
「ええ、良いわよ!ラキ、子供達を連れて逃げなさい!離れていても被害が及ぶわ。行くわよ!自称神様!!」
「それは言い過ぎだ!」
2人は外に出て行く。




