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2人のマリアとクーデター19

 ~アトランティス入口付近~


「王妃様?何故、聖を転移を?」


「マリアちゃんの護衛ですよ。何があるか分かりませんからね?それに」


 遠くの方から『アトランティス神様、ジブリール様。我々にご加護を』との声が聞こえて来ている。


「これ、聖に聞かしたら」


「キレるわね?」


「確かにな?」


「私が言ったら、お姉さまは怒っていました」


「そう言う事ですよ。さあ、行きますよ」


 王妃を先頭にアトランティスの村に入った。


「ここが今のアトランティスですか?かなり土地が荒れていますね?」


 想像以上の痩せこけた土地だった。


「それはそうですよ。16年前にクーデターを起こして、国王陛下にこの地に移動されたのですからね」


「ああ、なるほど。そういう事でしたか?」


 ファルコンの説明で王妃は納得した様子だった。


「リク?貴女の家は何処なの?」


「はい、この道を行くと、広場があります。そして、更に奥の道を行けば私の家があります」


「分かりました」


「しかし、敵から全く攻撃をされないな?」


「ああ、楽と言えば楽だがな。もしかして、王妃様が?」


「はい、私の殺気で敵対している者達の動きを封じていますよ。無理に近付くと私の殺気におののいて気絶しますよ。私も出来れば無駄な戦いは避けたいのですよ」


「な、なるほど、そういう事でしたか?」


 ファルコンの額に汗が流れた。何故なら、ファルコンは視力が弱く、感覚や気を感じて行動しているからだ。勿論、王妃の殺気も感じる筈なのに全く感じない。王妃の体から出ている気は、普通で自然体だからだ。


「(コレが神と人間の差か?)」


 ~アトランティス、中央広場~


 族長以下、アトランティスの戦士達がここに集結していたが、王妃の殺気の影響でどの人間達も満足に動けない。


「な、なんだ!?この恐ろしい殺気は?それに体が重い………」


 族長が歩くにもドスッドスッという音が聞こえそうな歩き方だった。


 そこに物見がやってくるが、彼らも体が重いようだ。


「ほ、報告します!敵の数は6人ですが、やはりリク様がおります」


「敵はゆっくりとここ広場にきます!味方が攻撃しようにもこの殺気のせいで近付けません!無理やりに近付こうとしましたが、駄目です全員、気絶をしてしまいます!」


 族長はその報告を受け青ざめる。


「ほ、本当にそいつらは人間か?この殺気といい…………それに何故、我が息子はそいつらに攻撃をしないのだ!!何故、そいつらと一緒にいるのだ!!」


「そんな事は決まっていますよ。リクは我々を裏切ったのですよ!!」


 リクと同じ年だろうか?好戦的な少女が言った。


「そうだな。我が息子、リクは死んだ。あれはリクだったモノだろうが、もし、リクの意識があれば、親の最後の情けだ自害を命じよう。それを拒否したら、ササラ、お前がリクだったモノを討て!!」


「はい。この時を待っていたぜ!俺がお前よりも強いと証明してやるぜ!」


 どうやら、このササラという名前の少女はリクをライバル視をしていたようだ。


「族長!奴らが来ます!」


「来たか。皆の者、陣形を作れ!敵をマリア女王様に近付かせるな!我々の守護神アトランティス神と守護天使ジブリールが必ず我々を守ってくれるぞ!!」


『おおっ!!』


 族長の指揮で戦士達は陣形を組んだ。


 そして、王妃を先頭に広場にやって来た。

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