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ナチ帝国 5

 エルフ対二鬼。


『魔獣召喚!!』


 二鬼は複数匹の魔獣を召還しエルフに襲わせる。

 対するエルフは。


「……テンペスト」


 竜巻を起こし、魔獣達を巻き上げる。

 竜巻(テンペスト)は無数の刃も仕込まれており、回転しながら魔獣達の身体を切り裂く。

 竜巻で自由に身動きが取れない魔獣達はなすすべもなくただ悲鳴をあげている事しか出来なかった。そして、竜巻は遥か上空へ魔物共に上がって行った。

 それを見た二鬼は。


「おのれ!!俺自ら殺してやる!!」


 怒り心頭していた。

 二鬼をはじめ五鬼衆は先の戦争では失態を犯している。その挽回をするべく、この戦いに勝つしかなかった。


『死ね!!』


 二鬼はエルフに魔法攻撃をするが、見えない壁に弾き飛ばされた。


『な、ナニ!?』

「………お前の力ではこの障壁を破るのはムリ」


 ピギッ!!


 二鬼の額に血管が浮き出る。


『舐めるなよ!!人間如きが!!』


 魔法攻撃がダメなら、物理攻撃とばかりに殴りに掛かったが。

 グシャッ!!

 不吉な音が鳴った。

 二鬼の手が障壁で潰されていたのだった。


『───ッ!!お゛れ゛の゛でが───ッ!!』


 情けない悲鳴を上げていた。


「………人外が情けない悲鳴を上げるな」


『ぎざま゛ッ!!』


 二鬼は負傷した手を切り落とし再生をした。


『貴様!!許さんぞ!!』

「………許さないのはこっちのセリフ⋯⋯⋯それにお前は終わっているから」

『なんだと!!』


 二鬼の真上から絶命している魔獣達が隕石の様に高速で落下して来た。二鬼はその落下した魔獣達の重みに耐えられる事もなく下敷きになり圧死となった。


「………弱い」


 アルクェイド対死鬼。


「くっ!?」


 アルクェイドはアンデッドに囲まれていた。

 死鬼が次々とアンデッドを召喚しアルクェイドを詰め寄っていた。


「んもー斃しても斃してもワラワラと!!元凶を斃さないと!!」


 アルクェイドは死鬼が居る方向をチラッと見るが距離が離れていた。死鬼は安全であろうという距離で次々とアンデッドを召喚しアルクェイドを斃そうとしていた。

 アルクェイドはアンデッドを斃すが、両腕の感覚が鈍く感じられる。

 ヴァンパイアのアルクェイドにとってもあり得ない現象だった。


『クッククク。漸く『毒』が浸透して来たか』

「はぁ?『毒』ですって!?」

『クッククク。儂がただ無闇矢鱈とアンデッドを召喚していた訳ではない。貴様の身体を毒にして殺す為のモノだよ。でも、安心せい。貴様も儂のアンデッドとして使ってやるからな』


 それを聴いたアルクェイドにとっては安心する要素はどこにもなかった。


「何勝手な事を言っているのよ!!本気でお前を殺すわ!!」


 アルクェイドは妖気を発し、ヴァンパイアの姿へと変身した。変身すると同時に両腕の毒も完治する。

 そして、一閃。

 手を振っただけでアンデッド達は消滅した。


「儚いものよのう?悪魔よ」

『なっ!?ヴァンパイアだとう!?な、何故ヴァンパイアがこの世界に!?』


 死鬼はアルクェイドの真の姿を見て驚愕する。この異世界にはヴァンパイアという生き物は居ないと認識していたからだ。


「認識不足ね。私はこの異世界にやって来たのよ」

『な、に!?や、やって来ただとう!?まさか!?宇宙空間をか!?』

「他に何があるのと言うのかしら?」

『⋯⋯⋯ッ!!』


 死鬼は絶句をした。幾ら悪魔でも宇宙空間を渡れない。異世界から異世界に行くのは、魔界を経由しないと行けれなかった。もし、宇宙空間を経由したら……何百年以上掛かるか分かったものではない。この目の前に居る生物は……。

 死鬼の身体が自然と震え出す。


『ば、化け物め!!』

「ハーまたなの?邪神にもそう言われたわ。悪魔のお前もそう言うんだ……」


 ギロリッとアルクェイドは死鬼を睨みつけた。

 死鬼の身体が硬直する。

 アルクェイドの魔眼だ。相手が弱ければ、その魔眼によって身体が硬直し動けなくなる。

 アルクェイドが死鬼に近付く。


『ヒィ!!く、来るな!!』


 死鬼は完全に戦意喪失をしていた。


「あら?お前はこの私をアンデッドにするとか言わなかったかしら?」

『くっ!?そ、それは、う、ウソです。ウソでございます。あ、貴女様の程の存在を、わ、儂のようなモノが……⋯あ、アレ?』


 死鬼が言い切る前にアルクェイドは死鬼の頸を撥ね飛ばした。


「お前のようなモノを私が生かしておくと思ったのかしら?命乞いの続きはあの世とやらでやって頂戴」


 そう言って、アルクェイドは死鬼の身体を燃やしたのだった。

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