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2人のマリアとクーデター12

「さてと、アトランティスに攻める作戦会議の前に、母さんに聞かないといけないか」


「聞く。とは?というか、聞けるの?」


 ママが半信半疑で訊いてきた。


「ああ、念話が使えるんだ。だから、作戦を立てる前にアトランティスと父さんの関係を知りたいし、その後の作戦に繋がるかもね?」


「そう言う事ね?分かったわ」


 俺は母さんに念話をした。


「(あー、あー、母さん?母さん?聞こえる?)」


「(何、マイクのテストのように言っているの?ちゃんと聞こえるわよ?)」


「(仕方ないだろう?初めてやるのだからさ?それよりも、アトランティスって知っている?)」


「(アトランティス?ええ、知っているわよ。だって、私達も探していたからね?)」


「(探していたって?)」


「(かなりの大昔に、地球上からさっぱりと消えてしまってね?その末裔達がどこに行ってしまったか、(暇を見ては)探していたのよ。聖はどうして、アトランティスの事を知っているのよ?)」


「(えっ?地球のアトランティス伝説は本当にあったの?たった一晩で壊滅したという伝説の?)」


「(そうよ。壊滅というより、時空の歪みで起きた大規模のワームホールに全て飲み込まれてしまったのよ)」


「(なるほどね?その末裔らしき人達が、この王国にいるよ。そして、父さんとがぶり姉ぇの事も知っているよ?だから、その関係を聞こうと思ってね?)」


「(えっ!?本当に?なら、私、貴女の所に行くわ)」


「(はぁ?ちょっと待ってよ!今、家族も居るし、担任教師も居る)」


「(なら、丁度良いんじゃないの?そのうちに、挨拶をしようと思っていたわ。行くわね)」


「(ちょっと待てて!!)」


 シュン!!


「はあい、聖、久しぶりね?」


「マジで来たよ……」


「えっ?」


「誰だ?」


「私の生みの親ですよ。念話で話したら来ると」


「聖の生みの母です。聖がお世話になっております」


 母さんがお辞儀をした。


「えっ?それでは?神聖王様の」


 ママの声が震えている。


「ええ、妻ですよ。で?聖?アトランティスの末裔は?」


「ああ、コイツがそうだよ。アトランティスの末裔のリクだ!」


「なるほどね?いつ見つけたの?」


「今日。というよりか、襲撃して来た」


 俺は母さんに事の顛末を話した。


「なるほどね?そのマリアって子を攫われたのね?」


「そうだよ。話したら、アトランティスに父さんやがぶり姉ぇが出て来たから聞いたんだよ」


「ハァー…………あまり恥を言いたく無いけどね。大昔の父さんは酒に溺れていてね。酔っ払って、神界からアトランティスに落ちたのよ………」


「は?」


「えっ?御降臨ではなく?酔っ払いで落ちた?では、ジブリール様は?やはり神聖王様のお迎え?」


「そうよ。父さんは7日7晩、アトランティスの人々と酒を飲んでね?ガブリエルを落ちた同時に迎えに寄越したのだけどね?父さんはガブリエルの言うこと聞かず、ガブリエルはそのまま待ちぼうけを食らっていたわ」


「がぶり姉ぇが不憫だ」


 想像すると涙が出て来た。


「えっ?私達の守護神にしていた神聖王様は酔っ払いの神様だったの?」


「ま、まじか?神聖王様が酔っ払いの神様だったとは………」


 リクとステラ先生がショックを受けていた。


 うん、コレはダブルKOだな?これはフォローしてあげないと。


「でも、今の父さんは、酒は飲まないけど?」


「ええ、あまりにも飲むからね?私が封印したのよ。酷い時なんか、1日中飲んで仕事をやっていたわ。極めつけは1斗の一気飲みよ」

 ※1斗=10升 ※1升=10合


 母さんは当時を思い出して呆れ顔で話していた。


「どれだけ当時は飲んでいたの!?」


 母さんの話に俺も呆れた。母さんに封印されても、当然だな。


「人間ならアル中で死ぬレベルだな」


「神様だから出来る飲み方だな……」


 パパとステラ先生が呆れた声になっていた。というよりか、皆、呆れ顔になっている。


 ま、自分達が拝んでいた神がただの酔っ払いオヤジだからな。この真実を知ったら、コレは信者ファンが減るな。


「確かに身内の恥だな?」


「でしょう?でもね?父さんとアトランティスの事を語るには、この話はどうしても外せないのよ………」


 母さんは深くため息を付く。


「まあ、それでもアトランティスの末裔が見つかって良かったわ」


「でも、明日の早朝に退治に行くよ?マリアを助けないとね?」


「そういえば、そんな事を言っていたわね?なら私も行くわ。今のアトランティスの様子も見たいしね」


「えっ?母さんも行くの?」


「悪い?」


「イヤ、直ぐに帰るかと思ったからさ」


「せっかく来たのよ?さっさと帰る人がいますか?それに貴女の家族や担任教師にもしっかりとご挨拶をしないといけないでしょう?」


「まあね?で?因みに父さんも来るのか?」


「そうね?呼ぼうかしらね?」


 母さんが言うと、他の皆が首を横に振っている。


 どうやら、もうお腹いっぱいなようだ。


「なんか、パパ達がもうやめてくれと言っているわ」


「そうなの?ま、いいわ」


 母さんが言うと、皆がハアーと息を吐いた。


「母さんがアトランティスに行くとなると堂々と正面から突入?」


「そうね。私が居れば、相手からの攻撃は無効になるわ」


「ならもう決まりだね?」


「そうね?では、私は改めてご挨拶を」


 母さんは再度、パパ達に挨拶をしたが、パパ達は母さんに恐縮しっぱなしだった。

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