武道大会中止 2 〜盗賊団壊滅と本当の目的〜
一方。ミカエル対竜雅は、ミカエルの一方的な攻撃で竜雅が命乞いをしていたが。
「貴方のその顔。私が見忘れる訳がありませんよ。第一貴方はこの王国に置いて第一級の指名手配犯。その貴方を私が見逃す訳がないでしょう。貴方のパートナーは地獄で貴方が来る事を心待ちにしている事でしょうね?死になさい!!」
ミカエルは竜雅の頸を刎ねたた。異世界に強制的に召喚され、グランパニ公国に勇者と祭り上げて、暗殺者に仕立て上げられ、自分が生き延びる為に盗賊団に身を落とした天川竜雅の呆気ない最期だった。
ヒルド対頭の方も同様だった。いくら、頭の魔力量が並外れた量があると言えども、所詮は人間の域。神であるヒルドには敵わなかった。頭の全身は既に傷だらけだった。
「ちくしょうーが!!俺はこの世で一番強んだ!!」
頭は自分自身に気合を入れる為に吼える。しかし、現実は非常だった。
「貴様よりも強いヤツなぞこの世中にはゴマンと居るわい。妾もその一柱じゃ!!」
ヒルドはそう言い、頭を魔法攻撃で消し飛ばす。コレは嘗て、頭が神々神にヤッた行為だ。まさに因果応報な最期だった。
●○●
〜大監獄〜
ここはファーネリア王国領の無人島。島の周囲は断崖絶壁で囲まれ、船では一切近付くことは不可能なこの島を王国内で罪を犯した全ての犯罪者達を収容する監獄棟を建設をする。この島には鉱山が有り豊富な資源が眠る島でもあった為、犯罪者達はここで強制労働に駆り出されていた。
そこには、当然、聖が捕まえた囚人達も居た。
「オイ!オレ様をここから出せと言っているだろうが!!オレ様を誰だと思っている!!オレ様は王国の国王に成るべきの男なのだぞ!!オイ!聴いているのか!!この愚民共が!!」
嘗て闇貴族だったガルーガ・ダークが収監されてから牢の中で毎日毎日そう喚いていた。
聖にあれだけやられたにも関わらず、しかも、聖の焔暫烈拳によって毎晩悪夢を見ようとも自分がやってきた行いが全て正しいと。全くの反省がみられない屑を絵に描いた性格で、それでいて毎晩の悪夢に屈しない強靭な精神の持ち主だ。
この様な性格の為にガルーガは収監されてから牢から一歩も出されていない。実質禁錮刑状態だった。そして、看守の兵士達もガルーガに同情をする看守は全く居なかった。寧ろ、さっさと処刑になって貰いたいと。しかし、残念ながらガルーガはまだ未成年者。いくら非道な悪党でも未成年者は死刑には出来なかった。
そして、もう1人、元火の貴族だったアルフレッドもガルーガ以上の危険な人物として牢から一度も出されていない。アルフレッドはガルーガ様に叫んだり喚いたりはしない。アルフレッドはこの島からの脱獄をするのかをずっと考えていた。そして、自分をこんな目に遭わせた輩共にどう復讐をしてやろうかとずっと考えていた。
武道大会当日、その島に闘鬼と一鬼が現れる。
闘鬼と一鬼は看守兵士達を皆殺しにした。
「闘鬼様。ここに人間とは思えない悪意に満ちた者がいますわ」
「ほう?コイツはなかなかだな」
2人はガルーガに目を付けるが、ガルーガ本人は。
「なんだテメェーらは!!そんな事よりオレ様をここから出せ!!オレ様を出した暁にはよぉ、そこの裸同然女ぁ、貴様をオレ様自らが犯してやるからよぉ!!女ぁ、オレ様に犯されて嬉しいだろう?なぁ?ギャーハハハハハハ」
『⋯⋯⋯』
流石の2人も、囚人である男がこんな発言を吐くとは思ってもいなかった為に絶句をした。
「アラアラ?わたくしアソコが短小の坊やとは遊ばないのよ」
「このアマがぁ!!オレ様が下手に出ていりゃ付け上がりやがって!!今すぐに犯してやるから来いや!!」
ガルーガは鉄格子がガンガンと揺さぶった。見事までの自己中だ。
「⋯⋯⋯行くぞ」
「はい」
闘鬼はガルーガを完全に無視をし移動する。
そして、この島にやって来たもう一つ個人的要件があった。その人物の牢の前に立つ。
「久しぶりだな?」
「貴様は闘鬼!!貴様の所為でオレはこんな所にッ!!」
アルフレッドは闘鬼を睨み付けた。
「フン!!この様な事になったのは貴様らの危機管理不足が原因だ!!賊に屋敷に侵入された時点で貴様らは詰んでいたのだ。ソレがこの結果だ!!」
「ギリッ!!」
歯軋りをして睨み付けた。
「勘違いによる逆恨みですか?みっともないですわねぇ~」
一鬼はアルフレッドを煽った。
「貴様らーーーー!!」
アルフレッドは怒りから鉄格子から手を延ばすが、意味がない。
闘鬼はそんなアルフレッドを無視し。
「一鬼、頃合いだやれ!!」
「はい。闘鬼様」
一鬼の魔法によって島に居る囚人達全員を魔族にした。大半の囚人達は自我無い下等の下級魔族に成るが、悪意が高い者達は自我がある中級魔族に、そして、ガルーガ、アルフレッドは特上の悪意を持っていた為、上級魔族に変貌をしたのだった。




