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武道大会中止 1 〜怒りのガブリエル〜

「舞さん!!」


 王族室で王族護衛兼観戦していたガブリエルが悲痛な声を上げ舞の元へ転移をしようとしていたが。


「待つのじゃ。今、聖が舞の治療に当たっておる。おそらく、陽動作戦じゃ!!下手人共の本命はここじゃ」


 ヒルドがそう言って待ったを掛けた。


「確かに」


 ミカエルも同意した。

 ヒルドとミカエルの声にガブリエルは冷静さを取り戻した。何も自分が行かなくても、聖やサトル、他のメンバーも回復魔法を使える。ここは地球ではないのだから。ならば自分の任務を遂行する。


「厶?では?雷帝があの様な蛮行に出たのはもしや?」

「ウム、おそらく下手人共の仕業じゃな。しかも、1回戦では一番の注目カードじゃ。混乱騒ぎを起こすには打って付けじゃ」

「ですね。下手人共は雷帝とやらを最初からターゲットにしていた様ですね」

「そうか⋯⋯⋯」

「雷帝があの様な蛮行を行ったのは、下手人共が何かしらの魔法を雷帝に行ったのが原因だったのね?」


 クレアが再度確認をした。雷帝が自分の意思であの蛮行を行った場合は万死に値する。それ以外無いからだ。


「その通りじゃよ」


「それよりも急いで退避を。陛下達がわざわざ下手人共に会う必要はございません」


 と、親衛隊長が進言する。護衛をする者達からすれば、わざわざ主を危険な事を晒す必要はない。危険が迫る前に退避して逃げるのも立派な戦術だ。


「そうですね。我々が下手人共を退治しますので、国王以下一家とその護衛達は空帝の転移魔法で安全な宮殿まで退避を。コトが終われば、我々も聖さん達関係者を連れて宮殿へ向かいますよ」


 ミカエルもそう言った。


「判りました。陛下、御一家の皆様。そして、この場に居る兵士の皆さん。転移しますので、私にお集まり下さい」


 国王達は空帝の元に集まり、空帝は転移をした。

 賊達は外の兵士達を(たお)し扉をぶち破り5人の賊が乗り込んで来た。

 侵入して来た賊は剣を抜いていて全員覆面をしていた。


「ようこそ、賊の皆さん」

「そしてサヨナラじゃ!!」


 ミカエル、ガブリエル、ルエルは天使の姿に成っていた。ヒルドはヴァルキューレの姿に。


 その姿を見た竜雅は。


「コイツらはヤバい!!直ぐこの場から逃げるぞ!!」


 と、声を上げる。竜雅は天使の存在を知っているから言えた。しかも、ミカエルとガブリエルの2人にもあの時に会っている。まさか、この2人が天使だとは思わなかったが。竜雅達がどう足掻こうが勝てる見込みがなかった。ダメ元で逃げの一手に出た。


「逃がすと思っているの?」


 ミカエルが動き、回り込む。


「くっ!?」


 竜雅が焦りの声を出した。


「チッ!!オイ!!国王達は何処だ!!」


 頭が苛ついた言葉で言う。


「妾達が答えると思うかえ?コヤツは妾がいただこうかのう」


 ヒルドは頭を見た。賊の中で一番強いのが頭だった。


「ご自由に。残りは私達が殺しますので」


 ガブリエルが答えた。舞をあんな目にした賊が目の前に居る。この5人のうち誰がやったのかはこの際どうでも良い。舞の報いを受けてもらう。

 ガブリエルの身体から魔力と殺気が漏れ出した。


「ウム⋯⋯」


 ヒルドは頷くが額から一筋の汗が出ていた。あんなにガブリエルが怒っているのは初めて見たからだ。神であるヒルドでも身体に震えが来た。

 3人の賊はガブリエルの魔力と殺気に呑み込まれ指一本と身動きが取れなかった。


「さて、きっちりと答えて貰いましょうか?お前達は誰の指図でこの様な事を引き起こしたのかをね!!」


 ガブリエルはさらなる魔力と殺気をぶち撒ける。

 ガブリエルの怒りはこの3人を殺しても収まらない。殺す前に情報を引き出し、黒幕全員をズタズタに皆殺しにしないと怒りは収まらなかった。


「オレ達を殺すならさっさ殺せ!!」

「喋っても死ぬのだからな!!」

「どっち道、あたいらは死ぬ運命には変わらないよ!!」


 3人はそうわめいた。元盗賊団達の身体には、重要な事を一言喋っただけでも死んでしまう呪殺が掛けられていた。


「そうですか?死になさい!!」


 情報を得られないと判るとガブリエルは3人の頸を瞬時に刎ね飛ばした。

 そして、死んだ3人の魂を尋問を掛けて吐かせた。

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