表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
731/739

武道大会 14 〜本戦を混乱させる者達〜

「すまない!!」


 水帝は戻った早々にメンバーに謝罪をした。


「あの闘いを見れば仕方ないわ」

「ああ。水帝の奥義をあっさりと斬り裂いて見せてしまったからな。ギブアップ宣言をするのも致し方ない」

「⋯⋯⋯」


 炎帝と聖拳帝に慰められるも水帝は言葉が出なかった。


「水帝。私も負けた身で偉そうな事は言えませんが、創帝が何時も言っていましたが、私も水帝(あなた)も身体を鍛えた方が良さそうです。最後はやはりスタミナが物をいいますそのスタミナないと、勝てるモノも勝てません」

「そうだな。今までの鍛え方が甘かった。今までは魔力量にモノを言わせて他者を圧倒が出来ていたが、魔力量だけでは勇者にはどうにもならなかった⋯⋯」

「私も同じですわ。勇者相手に魔力を使い果たしてもと闘いましたが⋯⋯⋯」

「今までの相手が弱かったから私達は昨年まで優勝が出来たのよ。今年は優勝どころか1回戦突破も危うい」

「⋯⋯⋯」


 光帝と水帝は黙ってしまった。


「負けてしまったのは受け入れないとな」


「⋯⋯⋯」


 その間、雷帝はずっと黙ったままだった。


「雷帝?」


 炎帝がそんな雷帝の事を気に掛け話し掛けた。


「ん?ああ。すまん。立ち眩みがいきなり来てな⋯⋯⋯」


 雷帝の言葉に覇気が感じられなかった。


「ちょっと?大丈夫なの?次は貴方の出番よ?まだ体調が思わしくないなら一回飛ばして聖拳帝にするけど?」


 当初の作戦は頓挫している為、中堅に聖拳帝が出ても構わないので炎帝はそう言った。


「イヤ、大丈夫だ。予定通りに俺が行く」

「俺に代わった方が良いだろう?見てみろ」

「ん!?」


 武舞台では、次鋒の舞が武舞台の四角に避雷針を建てていた。


「なっ!?」


 雷帝が驚きの声を上げた。


「おそらく雷避けの柱だわね⋯⋯⋯」

「向こうも雷帝が出て来ると分かってて、早々に設置をしたのね」

「というか、審判団に説教されているな。創帝が共に審判団に謝っているぞ」

「創帝が実質のチームリーダーだからね。共に謝るのが普通ね」

「そうだわね⋯⋯⋯しかしねぇ?」


 雷帝を除く、帝チームが舞の行動に呆れていた。


「とにかく、俺が⋯⋯出る!!」


「そう。判ったわ」


 炎帝は雷帝を送り出したが、雷帝の身体の異変に気付いてはいなかった。

 イヤ、雷帝本人も自身の身体の異変に気付いていなかった。そして、武舞台に立つ。


 舞は既に中央にいた。雷帝が中央に着いた。この時、雷帝の表情が異常な形相をしていたが、仮面を付けているので、誰にも解らない。武舞台の中央に移動中、雷帝の身体に沸々と黒いモノが纏わり付き身体を支配されていた。

 審判が始めの号令を掛けようとするが、審判の急に気を失い倒れそうになる。


「えっ!?ちょっと!?」


 舞が慌てて、審判の身体を支えようとするが。


【グサッ!!】

 

 雷帝が舞の腹を刺し、電撃を流し込んだ。


「えっ!?イヤーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!」


 舞は悲鳴を上げて審判諸共倒れ込んだ。


「どいつもこいつもよぉ俺を馬鹿にしやがって!!うおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!!!!」


 雷帝が雄叫びを上げた。


 観客達から一斉に悲鳴が上がり、会場は一瞬でパニック状態に。


 この行為に聖が素早く動く。


「雷帝!!テメェ!!俺の妹に何しているんだ!!!!」


 聖は我を忘れて雷帝を殴り倒し、雷帝は一発でノックアウトになる。


「舞!!しっかりしろ!!今、回復魔法を掛けてやるからな!!」


 聖は雷帝の結末を見ずに舞を抱きかかえて回復魔法を施した。舞の傷口はみるみるのうちに塞がっていくと、舞の呼気が安定する。舞の状態を見てホッとする。


「姉貴!!舞!!」


 サトルも遅れて武舞台にやって来た。そして、両チームと審判団全員が武舞台に集まって来た。観客もパニック状態の人達が多くが未だにザワザワしていた。警備の兵士達が観客達を落ち着かせるように静めている。

 こうなれば、試合どころではなかった。


 ●○●


「お頭!!今だ!!」

「ああ。俺達は今から王族の一族を皆殺しするぞ!!テメェら行くぞ!!」

『おおっ!!』


 この事態を引き起こした犯人達は1回戦を棄権したマボロシチームだった。

 マボロシチームの正体は元ガギグゲ盗賊団で、ナチ帝国の闘鬼とその部下達によって壊滅させられた。生き残ったのは、頭、旧グランパニ公国に召喚された天川竜雅と幹部の3人のみだった。その5人は闘鬼に命を握られていた。そして、その5人にファーネリア王族の皆殺しをするように命令を下した。命令に逆らえばその命が無いが、王族殺しを行えば死罪となる。どっちにしろ、元盗賊団の命は最早無いに等しい。

 盗賊団は死なば諸共で、王族達を道連れをと企てていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ