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武道大会 13 〜本戦〜

 帝チームは、先鋒の光帝が負けて、次鋒の水帝が武舞台に上がる。

 勇者チームは、先鋒の更夜が続行する。


「始め!!」


 審判の声で、2人が動く。


氷の矢(フリーズ・アロー)!!」

火の矢(フレイム・アロー)!!」


 と、水帝と更夜は同時に魔法を放つ。

 両者の魔法の矢は蒸発すると同時に剣戟戦となった。

 水帝は剣術も出来る魔法剣士だ。


「へぇー?初めて剣術を使うのを見るよ」

「貴方との模擬戦では、魔法戦が主だった。剣戟の相手は専ら、創帝か炎帝だったからな。俺の出番はなかっただけだよ!!」


 水帝の剣戟を間一髪躱す。


「危なっ!!」


 水帝の太刀筋を初めて見る更夜はなんとか躱した。


「チッ」


 舌打ちをする水帝。この一撃で更夜を戦闘不能にしようとしていたが、自分の目論見が外れ、思わず舌打ちが出た。


「いい性格をしているな」

「褒め言葉として受け取っておく」


 2人はぶつかり合う。


 水帝が氷の剣を出すと、更夜は炎を刀に宿す。すると、水帝は水の剣にシフトチェンジをする。

 それを見て慌てて、同じく水を刀に宿した。


「ねぇ?お姉ちゃん?次々とお互いに魔法を変えているけど何故なの?」

「ああ、お互いに不利な魔法を使い合った結果だ。氷と炎では、炎の方が勝つが、水だと⋯⋯ね?」

「あっ!?」


 聖の指摘にマリアは思い出した。あの忌まわしくやってはいけなかった記憶を。


「そういう事だ。水帝はその事を知っているかが疑問符が付くがな?」

「⋯⋯⋯そうだね」


 2人は剣撃から間合いを取る。


「流石、勇者様だ。強い」


 水帝は肩で息をしながら言った。


「貴方もなかなかの強さだ。姉貴達とは全く違った太刀筋だから、攻略するに苦労する」

「俺の半分も生きていない子供に簡単に倒されてたまるか!!喰らえ!!奥義・冷麒麟!!」


 水帝は勝負に出た。大半の魔力量を使う水系魔法の奥義を放った。

 水帝は自分の剣術では勇者を倒す事は出来ないと悟ったからだ。

 対する更夜は刀を鞘に収め構える。


「天劍剣術・弌の型抜刀術・炎神!!」


 渾身の抜刀術で冷麒麟を斬り裂き冷麒麟自体が燃えていた。


「マジかよ!?魔法で造った氷が燃えているだとう!?」


 水帝は信じられないという声を出した。

 奥義・冷麒麟は絶対零度に近い温度だ。その冷麒麟を炎といえども燃やす事なぞ不可能に近かった。


「こちらとて魔法の炎だよ。超高熱で氷に当てると氷が燃える事があるんだよ。その応用だ」


 氷は主に水と酸素が固まって出来ている。超高熱を氷に当てると氷が完全に溶けずに燃え上がってしまう場合があるソレは水に含まれている酸素が原因だ。そして、氷は炎で水となり、水蒸気も発生すると、水蒸気爆発が起こる。氷が炎の燃料となってしまった。


「なっ!?」


 水帝は驚きの声を上げた。

 攻める打つ手がなくなった水帝はギブアップ宣言をした。最大魔法を破られた時点で勝てる活路がなくなってしまった。たとえ、剣術主体で闘っても良くて引き分けだ。たとえ勝てたとしても次の相手に勝てる見込みがない。相手の体力を削る事もなく負けてしまうだろう。


 そして、聖も選手交代を告げる。まだ1回戦だ。最大2試合はあるので、無理な事はしない。体力を温存をさせた。


 勇者チームの次鋒は舞。

 帝チームの中堅は雷帝。


 舞は次の相手は雷帝と分かっていたので、試合が始まる前に避雷針を武舞台の4方向に建てたが、審判に注意された。試合中ならともかく試合前は相手が不利に成るような物を建てるなと。次にやったらチーム失格にするとも言われてしまった。


 聖が審判達に舞共々頭を下げる羽目になった。

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