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武道大会 8 〜本戦〜

 陛下が観客、選手の前で本戦対戦くじを引いき、貼り出されたトーナメント表に私達は絶句をした。

 はい。

 ありがとうございます。早速、フラグを回収をしました。


 くじ引きの結果。


 本戦トーナメント


 第一試合


 ギルド・ネコノメ VS エルフチーム


 第二試合


 ギルド・ホウオウノツバサ VS マボロシチーム


 第三試合


 ギルド・ケロベロスノミツクビ VS ギルド・ガロウノキバ


 第四試合


 勇者チーム VS 帝チーム


 と、なり。

 私達はしばらく言葉を失った。


「何ですか?このトーナメントは?」


 リクが漸く喋り出した。


「フラグ回収どころではないじゃないの!!」

「⋯⋯⋯完全に身内同士の同士討ち」

「全8チームの内、4チームが関係者だからな。当たる確率は高いが、まさかの1回戦での潰し合いになるとはな?」

「でも、お兄ぃ達のチームとあたし達のチームは決勝まで当たらないからね。良しとしょう」

「そうだな。兄貴のチームと1回戦で当たらなかった事は良しとしょう。けどな?帝だろう?やりにくいなぁ」

「確かにそうだね⋯⋯⋯まさか、1回戦でパパとママ達と当たるとは思わなかったわ」


 マリアのトーンが低い。パパ達と闘いたくないようだ。


「まぁ、こうなってしまった以上は仕方ないよ。おそらく、観客達も、決勝戦は、勇者と帝だと思っていただろうし、それが、1回戦で当たってしまっただけだよ。気持ちを切り替えよ」

「そうね」

「分かった」

「ハイ!!」

「ウン⋯⋯⋯」


 マリアだけは気持ちは切り替えられないようだ。

 マリアの気持ちとはうらはらに、本戦トーナメント第一試合が始まる。


 ○●○


「まさか、あなた達のギルドが本戦に出てるなんてさ、結構、凄いわね?ギルドとしてのメンバーの層が厚いのね」


 アルクェイドがガイに聴いてきた。


「イヤ、去年もギルドとして、本戦に出てるからな。今年も出られたのだろうが、今年は1名メンバーが変更している。アイツだ。つい最近に入ったジョルジ・トウシンってヤツだが、チームに入れたという事は相当な実力者だという事だな」

「そうなんだ?」


 アルクェイドはジョルジ・トウシンを値踏みしていた。


「ふーん。人間としてはそこそこね」


 アルクェイドはそう呟いた。


「⋯⋯⋯誰から行く?」

「もちろん俺が」

「いいえ、今回は私が行きます!!本戦のトーナメントは予選会よりも厳しい闘いが三戦続きますから、少しでも体力の温存をした方が良いです」


 ガイを遮り、ユカがそう言った。ユカの目は真剣で闘う決意をしていた。


「⋯⋯⋯解った。先鋒はユカに任せる。⋯⋯⋯だけど、無理をしたらダメ。私達皆で闘う」

「ありがとうエルフ。じゃ、行ってくるわ」


 エルフはユカを送り出した。

 ユカの戦闘服は柔術の袴姿で足袋を履いていた。この姿がユカの戦闘服だ。

 相手チームの先鋒と対峙していた。


「まさか、ウチの受付嬢と闘う事になるとは思わなかったぞ」

「そうですか?私はある程度は闘えますが、ギルドマスターに止められて受付嬢をしているのに過ぎません」 


 ユカは半分ハッタリをかました。


「それもそうだな?じゃないと、この武舞台には立っていない。こちらも倒す気で闘うから覚悟しろ!!」


 そう言って得物を抜いた。


「臨むところです!!」


 冷や汗を掻きながらも言い、構えた。

 審判が『始め!!』の号令を掛けるとの同時に相手が斬り掛かってきたが、ユカは、相手の剣筋を冷静に見極めて躱し続けていた。

 あまりにも綺麗に躱し続ける為に、攻めている筈の相手方が焦り出した。


「クッ!?躱し続けても意味がないぞ!!」


 相手が挑発をする。流れを変えたいからのことだった。


「そうですね。では、反撃といきましょうか」


 そう言うと、ユカは相手の腕を掴まえて軽々と投げ飛ばした。

 投げ飛ばされた相手方は、『は?一体なにが起こった?』と混乱をしていた。気付いたら、自分が武舞台の上で大の字でダウンをしていたのだから。


 審判がカウントをしていた。


「ッ!?」


 慌てて立ち上がり、得物を構えた。

 受付嬢に負けるなんてあり得ない意地でも勝つ。そう思い。再び立ち向かうが、また、あっさりと投げ飛ばされていたのだった。立ち上がればまた理由も解らずにあっという間に地面に寝そべっている自分が居た。そして、レフリーストップが掛かった。誰からどう見ても勝てる要素はないのは明白だった。


 先鋒戦はユカの勝利となった。

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